平成24年度 監査意見

平成24年度 監査意見

⒈ 内田基金について

今期、内田基金返却が果たせなかった。この内田基金とは、内田・クレペリン検査用紙等に権益を持つ組織からの寄付で、かつてはもっと大きな金額であった。(滝野)

この基金を、できるだけ維持されるよう、返却可能な年度には、返却を行うことを申し合わされてきている。予算案(小濱原案)には、計上されていないが、検討を願いたい。

⒉ 印刷所変更による経費削減について

印刷代節減がなされた。また、印刷の質も向上している。編集委員を務めた立場から難を言えば、協和印刷工業とは、メールでの指示等への対応が遅れることが少なくなかった(渡邉)。総体的には、印刷所の変更は、高く評価できる。また、発送料も新たに印刷所への委託により節減できている。

3. 事務局業務について

昨年度、事務局を学生生協会事務支援センターに移転・委託し、事務局経費が節減できた。だが、事務局長の従事する様々なシャドウワーク的な労務については、支出費目を認められ難い。個別の領収書等が出にくい支出もあり得る。経費として、一定の枠を設けて、事務局長経費として供与することを検討課題とする。

⒋ 昨年度大会について

4-1) 大会の意義と運営方針について

大会は、会員を増やし、規模を拡大する契機としての意義を持つ。過去の大会運営については、反省点が多い。このたびの佐藤報告等について、今後とも、文書で蓄積し残していく必要があるだろう。日本心理臨床学会の場合は、ガイドライン等のマニュアル化が構築され、確実な申し送りがなされている。そのため、方式そのものは年々巧みなものとなっているが、前例を墨守して行われるので詰まらなくなってきていると聞く。マニュアル化することの弊害がある。その点では、本学会の現状はむしろよいと言えるかもしれない。(滝野)

4-2) 会場設定について望むこと

昨年の大会でいちばん残念だったのは、会場が大講義を前提としている教室で、椅子が固定であったこと。大会のあり方を見直すべきなら、いろいろな工夫・改善が不可欠。その一つとして取り入れようとしたのがOSTであったが、場面設定からして全く不可能であった。椅子を動かしたり、空間デザインができるように、会場の状況をしっかり考えて、大会会場を選んでほしい。場面設定は、心理臨床家の基本中の基本であるから、真剣にその諸条件に留意がなされた会場選択を行うことを提案する。(滝野)

4-3) 情報宣伝についての課題

プレセッションは、一つ一つの内容が魅力的だったので、あまり人が集まらなかったのが残念だった。大会の情報宣伝について課題がある。このままだと、組織がじり貧になってしまう。(滝野)

4-4) 参加者が少なかった原因

考えられるものに、日程(大阪マラソンとの重なり)、場所(市内中心部からは少し不便)、天候(2日目は雨天へ下り坂)、内容(実質として魅力的な内容であったか否か、催しの題目に本学会の特徴がよくもわるくも、顕れ出ていた。これが、既存会員には危惧を、外部の人には臆する感覚を齎したのではないか)、情宣の方法(HPもあったが、紙媒体に依存。手渡し等既存の人的交流に依存しての配布形態。)などが上げられる。

4-5) 参加者増加についての情報宣伝反省点を踏まえての提案

広報・情報宣伝についての工夫に有効な経費を費やすことが必要。郵送以外の方法も含めて考えてもらいたい。(滝野)

昨年度の大会広報を手伝った立場から。、様々な研究会等(有料も含む)に出向いて、責任者から時間を頂いて説明もし、手渡しで配る等もしたが、ほとんど効果はなかった。これまでより多く印刷し、多方面の機関にも大部纏めて配送して配ってもらった。経費をかけたが、まったくと言ってよいほどに効果がなかったと言える。これまでに試していないものとしてネット上での広報がある。HPを核とし、ソーシャルネットワークの活用等、経費がかからない方法を試す価値がある。(参考意見:實川参考人・戸田事務局長)

4-6) 本年秋の大連にての大会開催と今後の展望

中国での大会開催は、今後、中国から来た人が、日本の臨床心理学会の実態に出会ったときの対応までを、視野にいれるべきではないか。中国の人は、日本の臨床心理士のブランドが欲しい。それらの実情も踏まえないといけない。もちろん、国家資格化の問題も含む。(滝野)

4-7) 大会経費の赤字と懇親会の問題について

前回大会実行委員長佐藤さんの反省点として報告された赤字の大きなものは、懇親会費であった。懇親会では、人数の変更が効き難い。そのとき会計を担当(渡邉)しており苦慮した。懇親会場側には、人数の増減に融通が効きにくいことを踏まえ、今後、懇親会の赤字を減らす工夫が必要である(渡邉)。

また、懇親会の現況そのものの問題がある。初めて来る人からみると、仲間内でやっている印象になる。新しい人が来ても、ぽつんとなるのではないかと。新しい人が来てよかったと思えるような懇親会とするべき。単に人数の予測をミスしたと捉えるのではなく、この学会の人的交流に関しての問題として考え改善するべし。(滝野)

⒌ 運営委員多選制限について[4-7)との関連意見]

多選制限は、議論の余地が大いにある。新しい人が積極的に運営に参画できるように、新しい人たちの入会が促進されるような課題も含めて、考えていかねばならない。(滝野)

⒍ 各委員会の活動について

今回の決算では、各々の委員会の活動が行われなかったとされている(小濱報告書)。予算は、使わなかったら削られる可能性がある。

日臨心の活動を広く知ってもらうためにも、小委員活動は重要である。地方委員会が機能的に運営されれば、本学会の知名度を地道に拡げることが可能なはずである。機に適ったシンポジウム等を開いていければよいのではないか。たとえば、亀口さんが主催した自閉症の研修会には、一般の人たちを含め50人ぐらい集まった実績がある。(渡邉)

⒎ 会議経費について

会議の方式には、マルチプルなやり方を工夫することがよい。会議のやりかたそのものを工夫する必要がある。それらを積極的に試行して、改善していくことが求められる。(滝野)

議事録の記録にはたいへん手間がかかる。どこの部分を残すかが問われ、或いは逐語録であると記録者が疲弊する。レコーダーから起こした記録を出し、全員が目を通して、公式の議事録となる。これが通常の作業だが、これを見直し、記録の残し方の工夫を今後も考えていく余地があるだろう。(渡邉)

一事不再議について、「蒸し返しは絶対だめ」と定めてしまうことはよくないと個人的には思う。もちろん、無条件にそうせよ、とは言わない。グループで、互いに学び合うことが重要である。(滝野)

⒏ 19期ML公開・非公開問題

19期のMLの内容に反映している、監査に関わる事業内容について、監事は調査権を持つ。一般論としては、監事が全ての事象・事案について、調査権を持つことは了解している。しかし、19期の問題については、申請のある問題についてのみ監査する。理由は、MLリストの利用に精通していなかったメンバーがあったと考えられるからだ。公務としての学会運営と私的感情等が未分化なかたちで吐露されていた場合がある。したがって、昨年度のML公開に関しては、一般論では片づけられないと考える。(滝野)

⒐ 監事の職域について

暫定とはいえ、監査対象の前年度の運営委員を務めた私(渡邉)が、監査を行っていいものかとの躊躇いがある。2011年の運営委員会議事録(第19期第7回)の確認事項に依ると、「監事は会計監査のみとする。」とある。(渡邉)

どのような経過でそう記載されたかは知りたい。しかし、今日の一般常識からしても、業務監査の必要は、認める。(滝野)

20期の課題として、監査のあり方を検討することも必要である。

以上

2012年7月7日

監事 滝野 功久

監事 渡邉 三知雄

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