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滝野第20期監事の業務放棄と虚偽報告監視役が大勢に媚び

滝野功久第20期監事は、第21期役員選挙の際に、監事に立候補をしませんでした。ところが、五名もの立候補者を得ての選挙の手続きの途中に、急に発言を求めました。
まだ、各候補の所信表明の行なわれる前でした。

発言の趣旨は;
1 監事の職掌がはっきりしていない(会計監査に限るとの申し合わせが運営委員会で出た)
2 会則改訂案が多いので会則には変化が見込まれる
3 自分は会務を熟知している
4 1、2、3により、立候補者たちよりも自分が監事にふさわしいので、暫定的に続けたい

これは非常に奇妙な、筋の通らない発言です。
  なぜ、どう奇妙なのか?
-1- 監事の職掌は会則が「会務を監査する」と規定している。つまり、運営委員会の意向には左右されない。それなのになぜ「はっきりしていない」のか?
-2- 会則改定の見込みがなぜ監事の留任を必要とするか、まったくわからない。それに会則改定のための総会は、ふつうなら一年後となる。
-3- 滝野は監事の職にあったのに、運営委員会の公式メーリングリストを読まないなど、会務についてあえて不十分な情報しか持たず、しかも調査要請さえ拒否していた。「会務を熟知」との申告は、事実に反している。

*したがって、1、2、3 からなぜ4が出てくるか、まったく不明なのです。

しかしながら、総会はなぜか、滝野前監事の申し出を承認しました。
そのためこの人物は現在、第21期(暫定?)監事を名乗っています。
まことに不思議な物語ですが、この詭弁にも説得力があったのでしょう。
筋が通らずとも、矛盾があっても、相手を混乱させたり誤解させたりで、誤った結論を受け容れさせる弁論術:これを「詭弁」と言うのでした。

滝野前監事はまた、運営委員選挙の立ち会いも務めました。
この選挙は
一票で当落が左右される、際どい結果
となりました。
当選ラインは、得票の「過半数」の母数の取り方により、変わるのです。
藤本豊、宮脇稔両候補の当落には、明白な影響が出ました。

ところが滝野功久氏は立会人兼監事として、
票数の多少の出入りは「結果の大勢に影響を及ぼすものではない」
と述べました。
これは 明らかな虚偽 です!
それが選管の報告書に記載されているのです。
この虚偽証言が、他にも疑惑の多い第21期役員選挙を支えています。

☆監事とは、他の役員と距離をとりつつ会務が健全に行なわれるよう配慮し、意見を述べ、また判定を下すのが役割ではないのでしょうか?!
●その監事が率先して虚偽を公表し、選挙で優位な勢力に与するとは、何を意味するのでしょう・・・・

滝野氏は、選挙疑惑についての申し入れ書(10月1日付け)に
いまだ回答を拒否しています。
(2013年10月23日現在)

[文責:實川 幹朗]

詳しくは次のファイルをご覧下さい!
滝野監事の業務放棄と虚偽報告など
滝野監事の不作為記録

 
 

申し入れ書に無内容な返事運営委員会の不当介入による

前期運営委員と候補者による選挙の公正を疑う公開申し入れ(先の記事)に、返答がありました。
この申し入れ書は、全会員に返答を通知するよう求める公開の書面でした。(はたして、会員の皆さまにも届いているのでしょうか?学会の公式ホームページは、いまもって実質的に休止状態です。)
奇妙なことに、返答者の筆頭は第21期運営委員会になっています。
宛て先にない機関が返答を行なったのです。しかし宛て先の一人、滝野暫定監事の名はありません。
文中には「選挙管理委員会は独立した機能を持っていますが、元来は、運営委員会から委任された機関です」との記述がありますが、これも奇妙です。
*最高裁長官は内閣の指名に基づき天皇が任命します。最高裁長官への申し入れに総理大臣や天皇が口を出せるのでしょうか?!*
またしても、会則を無視した運営委員会の独走 です。(もう何度目か?)
返答の文章を起草したのは「事務局長」の菅野聖子さんで、本来の宛て先の人びとが異議なく了承したそうです。(電話にて本人に確認)
この返答の無内容・言葉足らずを見れば、誰しもまさに「言葉を失う」でしょう。
・選挙の手続きについての、具体的な申し入れなのに、これらをすべて無視しています。
 とにかく返事を出しておけばよい、と考えてのことでしょうか?
 この形だけの文書を「官僚的」と言っては、まじめな官僚に失礼となるでしょう。
◎申し入れへの返答文書はこれです:WORD(原文)  PDF

[文責:實川幹朗]

第21期役員選挙に疑義!

第21期役員選挙に疑義!

前期運営委員と候補者が選挙の公正を疑う公開申し入れを行ないました。公開申し入れ書を出した第20期運営委員には、運営委員長(会長)、事務局長(運営副委員長代行)、編集委員長の前期運営委員会という要職が揃っています。学会の根幹を揺るがす事態です。
宛て先は、第四十九回総会議長団(亀口公一・小西しゅんよう・丹澤和美)、選挙管理委員(西田久美江・三島瑞穂)、第20期監事(滝野功久:開票立会い人)の三者・六人。

臨心13.8.10選挙への申し入れ書

菅野運営委員への謝罪要求が

實川幹朗会員(第20期運営委員・編集委員長)より、菅野運営委員に公式の謝罪要求が送られました。
この要求の趣旨は第49回定期総会直前にHPに掲載されましたが、その後、公式に運営委員会宛てに送付されたものです。
なお、この書面はあくまでも、菅野運営委員個人に謝罪を求めたもので、運営委員会や学会への謝罪要求ではありません。

菅野運営委員への謝罪要求:PDF

精従懇をめぐる虚偽報告について

精従懇をめぐる虚偽報告について

 精従懇(http://seijukon.com)とは、正式名称を「精神保健従事者団体懇談会」と言い、精神医学、臨床心理学、精神保健学、精神看護学などの学会、実践諸団体の連絡と協働のための組織である。現状を批判的に捉え、「精神障害者」の人権擁護のための提言を重ねてきた実績がある。
 日本臨床心理学会も長くこれに関わり、心理系の学会として唯一の加盟団体である。ところがこの数年間、担当者・藤本豊と鈴木宗夫両運営委員からは、運営委員会への報告がまったく行なわれていなかった。このため、近ごろ加わった運営委員(運営委員長を含む)にとっては、団体の存在さえ雲をつかむ如くであった。
 会合は隔月に行なわれ、比較的活発な活動を行なっていたようだが、実態は当学会に知られなかった。また日本臨床心理学会の活動について、そこでどのような報告が行なわれているのかも、まったく分からなかった。それでも日臨心運営委員会は、毎年5万円の分担金を精従懇に負担し、担当者には会合のための交通費を支給していたのである。
 この事態を打開するため、平成25年4月20-1日の第20期第6回運営委員会では、精従懇活動についてのきちんとした報告を求めるとともに、活動状況を日臨心運営委員が知悉する必要から、希望する運営委員一名を、担当者のうち一名とともに精従懇会合に出席させると議決した。
 この時点での次回会合(第155回/6月1日)に、實川運営委員が参加を希望した。しかし藤本委員はこれに対し、「次回と次々回(7月27日)の会合は、すでに内容の決まっている11月の<フォーラム>の事務的な打ち合わせで、参加の意義は薄い。むしろ、受け付けなどの事務を押し付けられる恐れがあるので、9月からの参加が望ましい」と説明した。このため實川委員は6月の会合(第155回)への参加希望を取り下げ、9月28日の会合(第157回)に参加すると表明した。
 ところがその後、藤本委員の説明への疑惑が浮上した。<フォーラム>の内容が煮詰まっているとは思えない情報の流れだったからである。酒木運営委員長は調査の必要を感じ、6月1日の精従懇会合への出席・調査を決めた。(酒木委員長は所用のため戸田事務局長に代理を依頼。ところが前日になって戸田事務局長に私的な急用が生じたため、實川運営委員がこれに代わり、委員長の代理として出席した。)
 以下のファイルはその後の流れを示している。

 精神保健従事者団体懇談会(第155回 平成25年6月1日)会議報告(實川運営委員)
 
 藤本委員はしばらく沈黙し、もう一人の担当者鈴木委員が次のような二回の報告を運営委員会メーリングリストに寄せた。
 
 精従懇(6月1日)会議の概要(鈴木運営委員)
 
 精従懇(6月1日)会議の詳細報告(同)

 いずれの報告にも、藤本豊運営委員が精従懇の次回の<フォーラム>の「副実行委員長」になったと記されている。藤本委員が精従懇の内部で信頼を得ていると印象づける記述だが、このような事実はない。藤本委員は「実行委員」に加わったが、「副実行委員長」という職責はなく、したがってそこに推挙された事実もない。(木太精従懇代表幹事に確認済み。)
 また、会議での實川委員の発言については細かく記録している一方、藤本発言については「覚えていない」とのみ述べる不釣り合いな報告となっている。
 
 藤本委員は一週間あまりしてから次の文章を運営委員会メーリングリストに投稿した。
 
 「正直なところ、総て読んでいません」(藤本運営委員)
 
 この投稿の前半6割ほどは、精従懇とは無関係の話題で占められている。特定運営委員の発言が「攻撃的」だったり「揚げ足取り」なので嫌気が差しているとの点が主である。
 後半でようやく精従懇の件が語られるが、「フォーラムの内容が決まっていた」との発言の主が、實川委員にすり替えられている。
 論点を外し、虚偽を再び交えて焦点をぼかしつつ、対抗相手の言動を誇張して不快感を煽る手法が全体に認められる。これは藤本委員の常用するところである。
 なお佐藤和喜雄運営委員から、これでは疑問に答えていないので早急にきちんとした応答を求めたいとの発言が、第7回運営委員会西日本部会であった。しかし藤本委員は、東日本部会(東西統合部会)において、これで説明は尽くしたのでよく読んで欲しいと繰り返した。
 したがって本文書は、藤本委員からの最終回答である。また、いわゆる「ガンザー症候群(Gansersches Syndrom/偽痴呆)」の発生状況にも示唆を与える文書で、この意味からも重要と考えられる。
 
 これを読んだ戸田事務局長は次のような投稿を寄せた。
 
 やっと議論の第一歩ですね!
 
 しかしこれ以後、議論は行なわれていない。
 ただし、東日本部会(東西統合部会)においては、藤本委員が嘘を吐かねばならなかった事情・心情をめぐり、擁護論が活発であった。「担当者の報告はそのまま信ずるべきだ」との発言さえあった。
 戸田事務局長は、会費の適性な使用の面からも、両担当者の辞任を求めている
 

心臨から国家資格に反対の動き:「専門性」の本音を告白!

心臨から国家資格反対の檄

「専門性」とは何かを巧みに解説!

こんな手紙を見付けました。
日本心理臨床学会の一部から、国家資格化(少なくとも現行の動き)に反対する声明が出ています。
国家資格そのものに反対ではなく、「専門性」が薄まるのを恐れています。
そうすると、顧客の役に立たなくなるのだそうです!
心理職の実力とはすなわち免許状の格との思想が明白に出ていますし、
文体の品位とも併せ、このあたりの底力を推し量るのに役立つ資料です。

国家資格に反対する心臨の人びと [PDF]

      投票のお願い

 みな様のお手元に「日本心理臨床学会 第2回代議員(社員)選挙投票資
料」が届いていると思います。既に投票を済まれた方もおられるかもしれま
せんが、まだの方に、投票についてのお願いがあります。

 今回の選挙では、現在進行中の国家資格化と絡んで、さまざまの議論があ
るのは皆様、ご存じかと思います。
 私どもは、国家資格になることを望んでいますが、国家資格になることに
よって、従来の臨床心理士が大切にしている専門性が失われ、幅広くて一般
的な、専門職としての特殊性の乏しい「心理師」になってしまうことを怖れ
ています。そうなれば私たちの仕事を求めてくるユーザーの役に立たなくな
、これまでの臨床心理士を評価し、期待を持って下さっている方達を裏切
ることになります。この方向性をなんとしても食い止め、これまで築いて来
た研修体制を維持したいと願って、私たちはガラにもなく選挙運動をするこ
とにいたしました。
 全国区で立候補している候補者のうち、現行の国家資格条件に批判的な意
見を表明している候補者は半数にも足りません。全員が当選してもやっと過
半数です。なにとぞ期日までに必ず投票権を行使され、この方達が当選する
ようにご尽力下さいますようお願い申し上げます。

 全国区候補者は以下の方々です。(五十音順・敬称略)
 青木紀久代、伊藤良子、乾吉佑、岡田康伸、皆藤章、
 菊池義人、北山修、黒田浩司、桑原知子、滝口俊子、田畑洋子、
 馬場禮子、深津千賀子、藤原勝紀、松木邦裕、吉川眞理。

 平成25年2月18日

                差出人
                馬場禮子 (全国区)
                深津千賀子(全国区)
                乾吉佑  (全国区)
                中村留貴子(関東地区)
                岩倉拓  (関東地区)

第21期役員選挙

第21期役員選挙

去る平成25810日の定期総会で行なわれた第21期役員選挙は、日本臨床心理学会の歴史に類例を見ないものであった。

特徴は、次の二点にある。

1 総会議場にて提案された無記名投票

2 落選者が出た (立候補5名のうち3名が不信任)

また、次の問題点が指摘されている。

1 投票に先立つ討論が制限された

2 投票用紙と得票、過半数に対する母数の確認が不十分であった

*指定の期日(6月12日に締切)までの立候補者は次の5名であった。

金田恆孝
栗田修司
實川幹朗
菅野聖子 (立候補声明文は選管の許可を得て期限後に提出)
高島真澄

選挙公報が所信表明(50音順)を掲載し、会員に配付。

第21期運営委員立候補所信表明(PDF)

選挙管理委員は三島瑞穂、西田久美江両会員であったが、当日の朝、三島委員が家庭の事情で欠席を通知。選挙業務は西田委員が行なった。議長団三名(議長・亀口公一、副議長・小西しゅんよう、書記・丹澤和美)が西田選挙管理委員を補佐した。

以下、おおむね時系列に沿って記述する。

1 第1回選挙

投票と討論方式の変更

期日内立候補者の所信表明に先立ち、菅野聖子=第20期運営委員・次期候補者より、このたびの選挙は投票によるべしとの提案があった。西田選挙管理委員は投票箱を準備していると明かし、会場より異議は出なかった。

五名の候補者は議長席の前に並らび、それぞれ1、2分の短い所信表明を行なった。

これが終了すると西田選挙管理委員は、候補者にもとの場所に着席することを求めた。これも異例のことで、候補者が前列で会場の会員と向かいあいつつ、会員ならびに候補者相互の討論を行なうのが慣例であった。過去の例に倣うよう求める候補者もいたが、西田選挙管理委員と亀口議長は改めて着席を求めた。

質疑・討論の短縮

直後に實川幹朗=第20期運営委員・次期候補者が、高島真澄=同に第20期の実績について質問した。これに対し西田選挙管理委員は、候補者相互の討論は後に回しまず非候補者からの質問と討議を受けると述べて、實川候補の発言を制止した。高島候補は返答しなかった。

非候補者からの発言と候補者の応答が終わると、西田選挙管理委員はただちに投票に移ると宣言した。實川候補は、会則第13条「総会において運営委員の任務を遂行する意志を相互理解するため討論をつくしたのちに、決定される」の遵守を求めたが、選管および議長団は時間的な制約を理由にこれ以上の質疑、討論を行なうことなく投票を行なった。

投開票結果

實川候補より、討議に参加できない委任状分には投票権がないとの発議があったが、表決の結果、委任状分も含めての投票となった。議場の有権者名簿には25名が記載されていた。これに加え、委任状分となる15票の投票用紙(通し番号なし)を委任を受けた会員に配付した。委任状を持つ会員には2枚の投票用紙が渡ったことになる。(なお総会委任状総数は17通で、うち3通が議長宛ての委任であった。)

投票後ただちに開票が行なわれ投票総数は40であった。この過半数21を以て信任とした。

結果:

× 金田恆孝=16票 落選
× 栗田修司=16票 落選
× 實川幹朗= 8票  落選
◎ 菅野聖子=33票 当選(議場発表は34票:後に選管が修正)
◎ 高島真澄=34票 当選

*総会議事終了後、西田選挙管理委員が有権者名簿に登載(本人申告)されなかったことが判明した。本来の有権者数は26名であった。

 

2 第2回選挙

当日の追加立候補

西田久美江選挙管理委員と議長団が、「運営委員が2名では活動不能」との理由で追加立候補を求めた。短い休憩の後、6名が書面で当日の追加立候補を表明した。栗原毅=第20期運営委員、鈴木宗夫=同、谷奥克己=同、丹澤和美=総会書記、藤本豊=第20期運営委員、宮脇稔=同である。(菅野聖子=第21期運営委員より、欠席の手林佳正会員からの追加立候補受諾を求める発議があったが、多数決にて却下。)

討論の省略

6名の追加立候補者からそれぞれ1、2分程度の所信表明があった。1回目と同じく候補者は各自の席に戻り、質疑が行なわれた。實川幹朗会員は追加立候補者の所信が会員に周知されていないとして、会則第13条「討論をつくしたのちに、決定される」の遵守を再び求めた。これに対し西田選挙管理委員は、立候補者への質問を受けた後に改めて討論を行なうとし、まず候補者への質問のみを受け付けた。

ところが西田久美江選挙管理委員は、質疑が終わるとただちに投票に移ると宣言した。第13条の遵守を求める實川会員に向かい西田選管が「討論は終了したものと見做します」と通告すると、實川会員は議長席に詰め寄り、議場が一時騒然となった。結局、議場の大勢は討論を望まず、栗田修司会員らからの幾つかの追加質問と応答の後、投票が行われた。

投開票結果

委任状を託した会員は当日立候補者の所信を知らないので第2回投票の選挙権はないとの確認提案が實川会員からあり、採択された。有権者を議場の会員に限り、一人に1枚のみ投票用紙を配布した。

有権者は総会に出席した会員=26名であった。

結果:

栗原 毅=15票
鈴木宗夫=14票
谷奥克己=19票
丹澤和美=17票
藤本 豊=12票
宮脇 稔=13票(議場発表は14票、後に選管が修正)

◎有効投票数=23を母数に、追加立候補6名全員が当選と判定された。

過半数の母数と当落の分かれ目

有権者数=26と有効投票数=23との間に3票の差があったが、食い違いは問われなかった。むしろ、誰も気付かなかったのである。当落の根拠となる母数を有効投票数23の過半数に求めたが、有権者26人との比較検討は行なわれなかった。不足する3票のうち1票は、棄権した西田選挙管理委員の分である。だが、残り2票の所在は不明となっている。有権者のうちの二人が投票を行なわなかったのであろうが、推測の域を出ない。投票用紙の紛失もあり得なくはない。

投票結果に、当日は異議を挟む者がなかった。しかし、過半数の母数に何を採るかにより、当落は違ってくる。

日本国憲法は第56条2項に;
両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
と定めている。

憲法は国民の行動すべてを拘束しないが、民主的な手続きの模範として無視できない。これに従えば、出席有権者数=26の過半数は14なので、信任を得るには14票以上が求められる。

 

3 監事の選出

監事の選挙には、会場での挙手による5名の立候補者があった。

金田恆孝
亀口公一
酒井良輔
實川幹朗
戸田游晏

これまでは、引き受け手がないため運営委員が苦労して内々に打診していたから、ここでも異例の動きであった。

ところが投票に移ろうとするとき、立候補者に名前のなかった滝野功久第20期監事が立ち上がり、渡辺三知雄=同(欠席)とともにしばらく「暫定的に」監事を務めたいと述べ、選挙の中止を求めた。「会則の改定提案が多く、監事の役割がはっきりしていない」が理由であった。また、渡辺会員からも了承を取ってあると述べた。

表決の結果、滝野提案が承認され、監事の選挙は行なわれなかった。こうしてまた一つ、異例が重なった。

 

4 終了とその後

終了時刻は18時30分ごろであった。
ただし、会場は延長を見越し、21時30分までの借用手続きを済ませていた。
運営委員として信任された8名は会場に残り、「第21期第1回運営委員会」を開催した。(初回の運営委員会は、慣例では前期の運営委員と合同で行ない会務の引き継ぎを主とするが、このたびは第20期の運営委員に出席を求めなかった。)

期日前立候補者5名のうち、つまり正規の手続きに従った立候補者のうち3名が落選したことが、選挙のただならぬ雰囲気を物語る。信任されなかった3名は、一人が現役の編集委員長、二人がはじめて立候補した新人であった。
現役の編集委員長の不信任は最近の機関誌編集方針への不信任でもあり、新人二人の落選は人事の刷新への拒否であろう。
信任された8名は、総会書記を務めた丹澤和美会員を除き、すべて運営委員歴10年を越える馴染みの人びとである。

*総会を閉じるにあたり、佐藤和喜雄会員(第20期運営委員)の提案で西田久美江選挙管理委員に対し、会場より盛大な拍手が送られた。<實川会員の圧力にめげず公正に選挙を行なった>ことが理由であった。

實川幹朗会員は、学会ホームページ上に次の質問を西田選挙管理委員宛てに出した。

————————–

西田久美江様
選挙管理委員としてのご説明、拝読いたしました。
当日立候補者の投票用紙を当日に作られたことは、公正な運営だと思います。
ただ、投票用紙の作成の公正から、選挙運営のすべてが公正とは結論できません。
私は、次のように考えております。
よくご検討いただき、私の考えに誤りががあればご指摘下さい。

1 先行立候補者が対象の1回目の投票で、私が求めたにも拘わらず、選管は候補者相互の討論を行なわせなかった。これは会則13条「総会において運営委員の任務を遂行する意志を相互理解するため討論をつくしたのちに、決定される」に違反する。
ことに、はじめに
<先に候補者以外からの発言を認め、次に候補者相互の討論に移る>
として候補者の発言を禁止したうえ、約束を違えて投票を強行した。
これは選管による欺瞞であり不正行為である。

2 当日立候補者を対象とした2回目の投票でも、候補者相互の討論を行なわせなかった
1と同じく、13条違反である。
より重大なのは、2回目投票での[立候補声明+質疑+討論時間]の短さである。
当日立候補者は、あらかじめ会員に所信を表明しておらず、総会の場のみにおいて、総会に参加した会員だけに所信を表明する。したがって、せめて総会参加者だけにでも懇切丁寧な所信表明と、充分な質疑・討論が保証されなければ、正規の手続きを踏んだ先行立候補者とのあいだの不平等が拡大する。そして何より、事情を知らない一般会員にとっての判断材料を著しく制限する行為である。
この点を私は休憩時間に、選管の西田さんと議長の亀口さんに申し入れている。
それにも拘わらず、当日立候補者の所信表明はみな極めて短時間で終わり、その後の質疑も不十分であった。
こうした行為は、会則13条の精神を踏みにじるのみでなく、主権者たる会員への侮辱である。
3 2回目の投票で、非候補者から【質問のみ】を受け付けた後、選管が「【討論】が終了したものと見做す」との宣言を行ない、投票に移った。
私は抗議したが聞き入れられず、投票が強行された。
これは選管の独断であり、やはり会則13条違反の越権である。