「2) 役員の仕事ぶり」カテゴリーアーカイブ

精従懇をめぐる虚偽報告について

精従懇をめぐる虚偽報告について

 精従懇(http://seijukon.com)とは、正式名称を「精神保健従事者団体懇談会」と言い、精神医学、臨床心理学、精神保健学、精神看護学などの学会、実践諸団体の連絡と協働のための組織である。現状を批判的に捉え、「精神障害者」の人権擁護のための提言を重ねてきた実績がある。
 日本臨床心理学会も長くこれに関わり、心理系の学会として唯一の加盟団体である。ところがこの数年間、担当者・藤本豊と鈴木宗夫両運営委員からは、運営委員会への報告がまったく行なわれていなかった。このため、近ごろ加わった運営委員(運営委員長を含む)にとっては、団体の存在さえ雲をつかむ如くであった。
 会合は隔月に行なわれ、比較的活発な活動を行なっていたようだが、実態は当学会に知られなかった。また日本臨床心理学会の活動について、そこでどのような報告が行なわれているのかも、まったく分からなかった。それでも日臨心運営委員会は、毎年5万円の分担金を精従懇に負担し、担当者には会合のための交通費を支給していたのである。
 この事態を打開するため、平成25年4月20-1日の第20期第6回運営委員会では、精従懇活動についてのきちんとした報告を求めるとともに、活動状況を日臨心運営委員が知悉する必要から、希望する運営委員一名を、担当者のうち一名とともに精従懇会合に出席させると議決した。
 この時点での次回会合(第155回/6月1日)に、實川運営委員が参加を希望した。しかし藤本委員はこれに対し、「次回と次々回(7月27日)の会合は、すでに内容の決まっている11月の<フォーラム>の事務的な打ち合わせで、参加の意義は薄い。むしろ、受け付けなどの事務を押し付けられる恐れがあるので、9月からの参加が望ましい」と説明した。このため實川委員は6月の会合(第155回)への参加希望を取り下げ、9月28日の会合(第157回)に参加すると表明した。
 ところがその後、藤本委員の説明への疑惑が浮上した。<フォーラム>の内容が煮詰まっているとは思えない情報の流れだったからである。酒木運営委員長は調査の必要を感じ、6月1日の精従懇会合への出席・調査を決めた。(酒木委員長は所用のため戸田事務局長に代理を依頼。ところが前日になって戸田事務局長に私的な急用が生じたため、實川運営委員がこれに代わり、委員長の代理として出席した。)
 以下のファイルはその後の流れを示している。

 精神保健従事者団体懇談会(第155回 平成25年6月1日)会議報告(實川運営委員)
 
 藤本委員はしばらく沈黙し、もう一人の担当者鈴木委員が次のような二回の報告を運営委員会メーリングリストに寄せた。
 
 精従懇(6月1日)会議の概要(鈴木運営委員)
 
 精従懇(6月1日)会議の詳細報告(同)

 いずれの報告にも、藤本豊運営委員が精従懇の次回の<フォーラム>の「副実行委員長」になったと記されている。藤本委員が精従懇の内部で信頼を得ていると印象づける記述だが、このような事実はない。藤本委員は「実行委員」に加わったが、「副実行委員長」という職責はなく、したがってそこに推挙された事実もない。(木太精従懇代表幹事に確認済み。)
 また、会議での實川委員の発言については細かく記録している一方、藤本発言については「覚えていない」とのみ述べる不釣り合いな報告となっている。
 
 藤本委員は一週間あまりしてから次の文章を運営委員会メーリングリストに投稿した。
 
 「正直なところ、総て読んでいません」(藤本運営委員)
 
 この投稿の前半6割ほどは、精従懇とは無関係の話題で占められている。特定運営委員の発言が「攻撃的」だったり「揚げ足取り」なので嫌気が差しているとの点が主である。
 後半でようやく精従懇の件が語られるが、「フォーラムの内容が決まっていた」との発言の主が、實川委員にすり替えられている。
 論点を外し、虚偽を再び交えて焦点をぼかしつつ、対抗相手の言動を誇張して不快感を煽る手法が全体に認められる。これは藤本委員の常用するところである。
 なお佐藤和喜雄運営委員から、これでは疑問に答えていないので早急にきちんとした応答を求めたいとの発言が、第7回運営委員会西日本部会であった。しかし藤本委員は、東日本部会(東西統合部会)において、これで説明は尽くしたのでよく読んで欲しいと繰り返した。
 したがって本文書は、藤本委員からの最終回答である。また、いわゆる「ガンザー症候群(Gansersches Syndrom/偽痴呆)」の発生状況にも示唆を与える文書で、この意味からも重要と考えられる。
 
 これを読んだ戸田事務局長は次のような投稿を寄せた。
 
 やっと議論の第一歩ですね!
 
 しかしこれ以後、議論は行なわれていない。
 ただし、東日本部会(東西統合部会)においては、藤本委員が嘘を吐かねばならなかった事情・心情をめぐり、擁護論が活発であった。「担当者の報告はそのまま信ずるべきだ」との発言さえあった。
 戸田事務局長は、会費の適性な使用の面からも、両担当者の辞任を求めている
 

菅野聖子(21期事務局長)への公開質問状

菅野聖子(21期事務局長)への公開質問状

戸田 游晏

 貴女は、貴女ご自身がそもそも、貴女も認めておられる「誤り」を含む文書を公表したことが、貴女が言われる「多大なエネルギー」と運営委員会の時間を浪費することとなったことをさておいて、「総括」(25年8月10日開催総会資料として会員全員に配布)に綿々と<その後の貴女の個人的見地からみた経緯>を書かれております。
 
 最初に貴女が「誤り」を含む文言の文書を学会誌に掲載し、さらに、まだ「誤り」を含む文言の残る文書を再度学会誌に掲載し直し、その間、實川委員が再度訂正を求めても貴女の理解力の問題かどうか、即ち恣意的か否かは不明ですが、結果的にそれらを無視し、そこで實川委員が「虚偽」と批判することでようやく、貴女が修正に応じていかざるを得ない状況が導かれた、とわたくしは理解しております。19期からの皆さんは如何、見なされているのでしょう。
 これも、年下のか弱い子が、ちょっとした失敗で、外から来たいじめっ子に苛められているのを守ってあげる?
 或いは「つぶれる虞のある(小濱氏の言)弱き者」を守ってあげるため?
 それが、本人のためになるのでしょうか?
 いつまでも依頼心ばかり、自らの好き嫌いを正しいことと間違ったことと重ね合わせて主張することから、これでは一向に成長できないではないですか?
 
 そもそも、菅野委員、貴女が本件の起源を発生せしめた。
 そして、貴女が「総括」で實川委員や戸田を批判しておられると同じことを、貴女は實川委員になさって来ていた。
 K会員の心情は、貴女の過剰な投影的同一視のご能力で慮っても、實川委員が、そのように度々訴えられた心情には一顧だにしない。
 つまり、万人に対する公平な評価を、貴女の私情と先入観から、或いは、貴女の内的な利得(自らが「弱き者」を助ける救済者)により曇らせてはいないか。
 
 総じて、本件は、貴女のマッチポンプ式の、つまり自らがヒロインとなる悲劇の起源を自ら作っておいて、多くの迫害と苦難を乗り越えたという、「菅野劇場」ではないですか?
 
 よく顧みてください。
 貴女が他者に為したことが、そのまま、本件において貴女自身が被るという経験を為さったという、鏡に映した構図なのです。
 貴女が「総括」に書かれた、實川委員とわたくし戸田に対する批判は、そのまま貴女ご自身に映し返ります。
 それが、貴女に自覚できているのかそうでないのか、そうでないのは、会員全員に配布する「総括」にこれを堂々と書かれていることで明らかです。
 
 このような自覚を持つことなく運営委員となり、会務に発言権をもたれることは、非常に由々しき事態である、とわたくしは考えます。
 所信表明に、これからは内部抗争ではなく対外的に成果を、と誰かが主張してきたことをご自分のご意見の如くに書かれております。
 しかし、わたくしが何度も貴女が司られた公開シンポ事前に、中川聡氏(精神医療被害連絡会代表・向精神薬薬害被害者のご家族)へのコンタクトをお勧めしても、メール一本ですむことを一向に進められませんでした。
 そして、この13日(平成25年7月13日、兵庫県芦屋市にて、関西委員有志にて開催の向精神薬サバイバーの方々との交流会)、わざわざ遠方(茨城県)からお運びになられたにも関わらず、会場で多く出たサバイバーからの重い批判と問いかけと要望に対して、もしわたくしが発言の時間を設けなかったら、貴女は果たして何を、積極的に、「対峙(貴女はメールではしないが、顔の見える会議ではなさると宣言されています)」してお応えになりましたでしょうか?
 苦しみを乗り越えまたそれらにいまもさいなまれつつ絞り出すように訴えてこられる方々からの重い重い言葉の数々。
 それに対する貴女は、なにをお応えになられたのでしょうか。貴女から発せられた言葉、貴女自身が、方々からの言葉に籠められた深い思いへの、衷心からのご応答ではなく、「貴女の所属する機関ではそのようなことがないように心がけている」趣旨を陳述されましたね。研修委員長菅野聖子としてでもなく、まして、<菅野さんご自身の生身>がしっかりとその思いを受け止められた上での、衷心からのお考えやお気持ちを表されていたものでは、なかった。
 会場でサバイバーのどなたかが、そのような機関があるということで少し安心しましたとの旨の返しをされたのは、「優しさ」です。
 
 菅野委員、貴女は、日頃のお仕事の中で、そのような、いわゆる「される側」からの「優しさ」「赦し」、時には諦めを伴った、それらに支えられて自らの仕事を存立させている。
 HPの事例を先に引かれているその筆致から垣間見られるのは、貴女の「おためごかし」言辞を甘んじて諦めて受け止めてあげている子どもたちのけなげさと赦しの力の大きさです。貴女は子どもたちの優しさに寄りかかって、立派なお仕事を果たしてられる、その自覚が貴女の言辞からは感じ取ることが、わたくしには難しいのです。
 言葉を換えましょう。子どもたちは、必死に生きている、それだけになまなかな誤魔化しは鋭く見抜く、そして見抜きながらも相手の度量に併せてくれる、つまり支援者が傷つきやすければ傷つけないように対応する(つまり相手にわからないように、分かると相手が酷く傷つくのがわかるから)、非常に怖い存在です。
 貴女は、貴女がケアしているつもりの子どもたちにケアされて、いま、ここに生きておられる。
 
 今回の来阪には、他の主なる目的がたとえあられての「ついで」だとしても(そのことはお伺いできませんでしたが)、中川さんにも開会前に短く自己紹介されただけで、その後、懇談を求めることもなかったのではありませんか?同じ関東ですので、今後有益な協力をなさっていかれる端緒を開いていかれるためならば、会の後にお残りになってしかるべきでしょう。
 
 総じて、疑問を感じますのは、貴女が何のためにこの関西の会に来られたのかわたくしには不可解である、ということです。
 
 さてさて、このように申し上げますと、また弾劾するようだ、検察官のようだ、とかと言われるのでしょうね。
 
 しかし、第七回運営委員会関東統合会の議事内容を昨夜(当時の時点)拝見したところ、丁寧に人事に関する議論をするために、選管に時間延長を申し出られたこれを酒木委員長を通しての伝達を要請されたとのこと。貴女は果たして、1年に一度の会則の決定が可能な本来の総会議事をさておいて、運営委員会内部においての意見対立を「総括」の名を借りての<粛正>を図るのですか?
 
 それこそ、貴女方が、一般会員を「外部」と見なして、つまり運営委員会を「内」とする観念の現れではないでしょうか。
 貴女方が、旧来の運営委員会を「学会そのもの」と大きな勘違いをされてきたことへの反省が、またこれだけの工数と会員が委托した資産をかけながらも、まだお分かりになってられないことが、ここに露呈しております。
 
 たびたびのわたくしからのそして重ねてのお問いかけに、貴女は、現在進行形で、無視と黙殺を続けておられます。
 これは、貴女が総括で貴女が被られたと主張する行為を、貴女ご自身がなさっていることではないですか?
 

前(20期)事務局長 戸田游晏
平成25年9月9日(平成25年7月18日MLにての意見投稿に注釈を挿入)

20期運営委員会事務局長退任にあたって

20期運営委員会事務局長退任にあたって

戸田 游晏

 本学会運営委員会の内側に入りこみ、そのhabitusの有りようになまなましく出会ったとき、深い幻滅を伴う衝撃を受けた。
 それは、旧くからの多選役員の概ねの考え方や行動様式が、わたくしの発想の地脈とは異なる基盤に根を下ろしている、と気づいたときであった。
 第一の「驚き」は、運営委員会多選委員の、対会員、対社会の考え方が、わたくしとはほぼ対極にあったことである。これがまず露わとなったのは、第48回大会東京会場企画事案での参加費用額設定においてであった。
 わたくしは、非会員を無料とすることを提案した。その根拠としてわたくしは、以下を疑うことがなかったからだ。すなわち、会員の拠出する貴重な会費は、本学会が社会に対し意見を発信し、啓発活動を支援し、会員の学術研究成果を広く公開する用途で使うべく託されている、と。ところが、「会員であることの特典」がなければならないとの多数見解によりわたくしの意見は却下された。
 これが、本学会の理念(とわたくしが思い込んでいたこと)と本態とのズレの認識、いやそれのみでなく、現行運営委員会が維持する通念への疑義を抱いた最初の体験であった。その後もさまざまに不条理な出来事が、事務局長の会務の中では頻出した。それらは、幾人かの運営委員を一個人の見地から批判する形とならざるを得ないので、いまとなっては逐一語るべくもない。
  しかし、昨年末の一事例は、これらの幻滅感をよりいっそう再認せざるを得なかった。それは、わたくし個人の問題ではなかったからである。

 昨年の晩秋わたくしは教え子に当たる一人の女性から、向精神薬薬害と進学先医療教育機関からの不当と見なしうるその人への処遇とが絡み合った難しい相談を受けた。その問題には某地方都市の医師会も絡み、わたくし個人ではいかんとも対処できなかった。ましてや、精神的にも経済的にも切迫した状況にある当人に対して、カウンセラーの本領である対症療法として一時しのぎのなだめにしかならない「セラピー」でうやむやにごまかせるような問題ではない。
 そこでわたくしは、運営委員会に、当人が通う医療教育機関の経営主体である某市医師会への調査依頼と意見申し入れができないものかと願い出た。しかし、これを真摯に現実的に受け止めていただいたのは、一部の委員に過ぎなかった。暦年の役員から唯一人、支援の方向を探る意見を出してくださった委員でさえ、まずは、「当人が会員であるかどうか」を問われた。
 わたくしの本学会へのかつての認識としての(今や今後に期待するしかない)責務は、個人で解決するには大きすぎる問題を抱える精神保健福祉ユーザーへの組織的支援を行うことである。社会的弱者の立場を常に共有し支援する機能を喪ってしまっては、ましてや会員同士で利益を守り利便を図り合うという内向きの姿勢では、社会に於ける本学会の存在意義は、危うくなるのではないだろうか。
 その後、わたくしでできることを行おうと、個人的つながりを通しての支援を試みた。しかし、本人は当教育機関の姿勢への影響力が見込まれる組織からの意見申し入れを望んでいた。「自分はもう退学し他分野の専門職を目指すが、後輩のためにぜひお願いしたい」との思いからであった。その後、本人はわたくしへの連絡も閉ざした。その人が現在どのような境涯にあるのかは解らない。
 高らかな理想を掲げる、本学会の運営委員会事務局長という立場に自らがありながら、若い教え子一人の支援さえできなかった。本人は、本学会のホームページで広報された理念を読み、本学会に一縷の望みを託してくれていたのに。

 ここであらためて、運営委員にわたくしが立候補した動機のひとつとなった一連の出来事が思い出される。
 かつてわたくしは編集委員会から或る投稿論文の査読を求められた。その際、より優れた見地から閲読をしていただける非会員を紹介したが、そのときのわたくしの応答の一部がコンテキストから遊離して投稿者に伝わったと想定される出来事が生じた。これが、他の経緯も複合する紛争へと発展したと伝え聞いた。そして編集委員の一人の解任要求が運営委員会に提出される事態となったことを聞いたわたくしは責任を覚え、当時の運営委員長藤本豊氏に対し、数度にわたり事実関係の説明を書き送った。
 ところが、数ヶ月を経ても回答は無かった。わたくしは監事にこの事態を質す書面を事務局に託したところ、回答はあったものの「監事は会計監査を行うので会務に関与しない」との旨であった。(当時および現行会則に、「会務を監査する」と記されているのであるが。)こうして、わたくしは一会員として意見を運営委員会に申し立てる手段を失い、致し方なく、6月の編集委員会開催期日に上京し、編集委員会への直接申し入れを行った。その結果、新たに編集委員に任用いただいた(が、編集委員会メーリングリストへの参加は結果として8月下旬に至るまで許可されなかった)。そこで、7月に大阪で開催される運営委員会に無償で書記を務めることを申し出て、議場に参加することができた。こうして、ようやく藤本運営委員長から直接の回答を頂くことができた。
 しかしながら、藤本氏のお話は、率直なところ、わたくしには充分了解し得るとは言い難いものであった。つまり、藤本氏は、ご自分が公的職務として東北支援に派遣されていたことと、そのことに関するご家庭の事情を語られ、それらの事情への共感をわたくしに求められた。それよりも驚いたのは、本紛争当事者に対する藤本氏ご自身の差別的所感が言葉の端々に感じられたことだ。
 そのときである。わたくしは、この学会はこのままではダメだと、それまでの懸念が一気に確信に変わった。これが、本運営委員会のhabitusだ。一般会員の要望や切迫した訴え(それは学会をとりまく社会状況の不条理を代弁するものであってさえ)、それらを、自らの個人的事情を言い訳にして、不作為と無視で切り捨てて顧みない。このような暗々裏に本運営委員会内に暦年醸成かつ伝承されてきた集合意識からの承認を背景に、当時の運営執行部の長藤本氏は、通常一般の言動であるかにそれらを行い、微塵も恥じるところがなかった。
 ここに体現される「学会としての社会的使命より仲間内の情実重視」という運営委員会habitusの変革に根本から挑まねば、本学会が公に掲げてきた理念に、もはや存続の未来はないと思われた。
 翌年1月の前期・今期の引き継ぎを兼ねた運営委員会で、互選による運営委員長選出が行われた。そのとき、わたくしの心からの叫びとして、藤本氏の運営委員長への再任反対を訴えざるを得なかった。
 当事例の背景となる前期運営委員会会務の内部状況は、現時点でも伝聞でしか語れない。
 なぜなら、任期終了をあと数ヶ月に残すいまこの時点(平成25年5月25日)でさえ、わたくしは前期運営委員会メーリングリストを参照することが許されず、前期委員間でどのようなやりとりが交わされていたのかを知ることができないからだ。
 ところで今期、新任2名を含む運営委員6名が任期中に辞任された。新人のうち1名は学会を退会された。この方は他領域の専門家であったが、一般の方々が本学会への入会意義を高め得る方策と将来的発展に資する優れた具体案を抱かれており、本学会の運営執行に携わって頂きたく、わたくしが切に入会をお願いした方であった。だが、従来の運営委員会での閉塞した展望を切り拓くその方の画期的な案が提示される、その前の段階で、「これまでに、やったことのないことはしたくない」との、例によって例のごとき抵抗に出会う。つまり、正面立って提案内容の意義を議論したくないときに、自民党改憲論の如き「内容吟味回避の手続き論」や「無視による引き延ばし」等の間接的手段で新たな変革案を排除しようとする、旧来多選の多数派委員が常道とする半ば無意識的集合的回避行動に遭遇し、去っていかれた。
 任期半ばにこのように複数の辞任者が出たことは問題にされてもよいが、前期の運営委員にもまた同様の事態が生じていることが表だって語られないことには、いささか疑問を感じる。すなわち、前期の新人運営委員2名は任期終了後に退会、前事務局長も、また前期以前から会務の改善を訴えてきた元運営委員も年度末を期に退会している。したがって、任期中途であるにせよ、かつて一人の委員が「淀む水が腐る」と訴えた事態そのものは、前期からさほど変わっていないと言えるかもしれない。
 その淀みの中にあって、処を得つづけてきた集合意識からの見えにくい圧力が、新たな参入者を脅かしつづけたことは否めないだろう。
 新たにその淀みの場に(表面的には)暖かく迎えられ、目的意識と希望を抱いていた新任委員たちの間に、その見えざる圧力が微妙に亀裂をもたらし溝をうがった。その果てに互いに疑心暗鬼に陥り、深刻な不全感を抱きつつ静かに去っていかれたのではないか。
 そして何より、わたくしが今期味わった最大の遺恨は、8月の第48回大会(東京会場)の2日目に遠方より足をお運びくださった比較民俗学会会長への、運営副委員長および藤本委員の礼節を欠いた対応であった。

 2日目に、わたくしは後述の宮脇運営副委員長が初日の総会で提示した、比較民俗学会学会誌の中の漢字二文字の表記に関わる誤解を正していただくために、宮脇副委員長に同席を求めた上で、会長に経緯を説明した。会長が、比較民俗学会としての文言選択の意義説明をされているとき、宮脇運営副委員長は会長の言葉を遮り反論した。当然、会長は立腹され、「では、この共同開催の話はなかったことにしましょう」とまで言われた。その後大会説明会が行われる中、宮脇副委員長は学務のため会場から退出された。説明会の席上、会長から、お気持ちを納められての「一緒に頑張りましょう」とのお言葉を頂き、わたくしは心底安堵した。しかし、まさに、その後のことだ。藤本委員が個人的に会長に再び、他学会機関誌内の記述変更を求める申し入れを行ったのである。
 わたくしは、時程半ばで帰られる会長をお見送りする行路で、日頃は温和でにこやかな氏が、「ほんとうに、この学会の方たちには、申し上げることばが通じないのですね。」と仰ったことを、忘れようにも忘れられない。社会的に見識の高い第一級の研究者でおられる小島先生に対し、初対面にも関わらず、運営副委員長と藤本委員は一方的に自らの立場においての都合を主張する。これが、臨床心理実践者の態度であろうか。比較民俗学会の語彙解釈を尊重せずに一方的に否定することを以て、他学会とその長を侮辱したことは、本学会としての謝罪を免れない、極めて深刻な事態ではないだろうか。

 そもそも、第48回大会が中国大連市で開催されると決まったときに、わたくしは東アジアでの数十年にわたる地道な実地調査にもとづき、人々の日常生活と文化の機微を研究してきた実績のある比較民俗学会の年次大会との合同開催を企図した。これは、わたくしが本学会の内向き傾向を少しでも打開する緒として自ら申し出た渉外担当職務の一環であった。言うまでも無くこれら交渉のための出張費用等は自費であり、本学会からの拠出はしていない。
 この事件前日の総会時においての、宮脇運営副委員長の比較民俗学会会報記述の「共催」表記を、たまたまその記事の直前に論文が掲載されていたという根拠に依って、實川委員を批判したことは、一方的思い込みによる的外れな言いがかりに過ぎなかった。このような議論の紛糾による時間の浪費に依り、その後も予定外支出と多くの事務工数を費やすこととなる臨時   総会の開催を年度末直前に行わねばならない事態を招いた。
 総会時程は東京会場企画担当者の設定であり、学会認定資格検討委員会費目等新たな重要事案を含む審議を期して、メーリングリスト上でわたくしは再三再四にわたって、運営委員各位の円滑な議事進行について呼びかけお願いしてきた。にも関わらず、これらを無視した運営委員会三役の一人からの議事開始直後の動議によって、議事継続が阻まれたのである。
 議場で、他学会内部判断に関わる、自らは預かり知らぬ責任への追及を唐突に被った實川委員が反論した。その説明を、宮脇運営副委員長は言葉を覆い被せて遮った。これに抗議して實川委員が声を荒らげたとき、たまたま遅れて総会議場に入室した会員があった。
 後にその人が、その場で感じ取った私的所感を事務局への連絡文書に書き添えてこられたことがあった。その文面から切り取られた断片を、後の第四回運営委員会(対面会議)議場で、藤本委員が提示なさり、實川委員への責任追及動議の道具として用立てられた。
 これら2例の行為様式には、同様の構造が認められる。他者の書いた文書を利用した個人攻撃が、本学会歴任運営委員の一部habitusの常道であろうかと推測されるのだ。つまり、或る目的(対立委員の意見陳述を制圧)のために、その場の主題とは無関係な事象(上記事例では、他学術団体の機関誌に記述された学術用語ではない二文字熟語・コンテキストへの理解が不充分なまま綴られた感想文)を道具(横槍)として用いられているのである。
 わたくしは今期初めて運営委員となり事務局を務めるにも関わらず、新人運営委員であるが故のこまごまとした不明瞭事案にぶつかることが度々で、そのことに苦悩してきた。にもかかわらず、昨年度の会務遂行状況を自ら調べて参考にできない。そこで社会常識としての見地からの、自分なりの工夫で会務を執行することに務めた。そのような対処方法の可否と遂行過程報告を、ときには2ヶ月近くにわたって再三運営委員会メーリング上で意見を求めてきたが、数名の特定の委員からの応答しか得られないことが専らであった。そこで致し方なく、無回答であることを異論がないと解して事案を進めると、多々それらは事後的に総会や対面運営委員会で蒸し返され、情緒操作を伴う手慣れた交渉術で事案の根幹への検討を巧みに回避した消耗戦に持ち込まれる。その末に、時間切れを理由に多数決で覆されてしまう。
 すなわち、本学会運営委員会には、長期にわたるメーリングリストにおいての文書上での問題提起においても、対面での話し合いにおいても、根本的な合意が成り立ち得ない、立脚点の異なる対立軸・別土俵が厳然と存在しているのだ。
 以上拙文は告発の書き物である。だが、事例として挙げた個人への弾劾ではないことにご留意頂きたい。この運営委員会に暦年醸成伝承されてきた、habitus本態への気づきを促す警告として書き留めたものである。
 その他の本運営委員会の諸様態を言語化し露呈させようと綴った拙文の類を、来期の運営委員の方々の参考としていただければ幸いである。それが叶うなら、今期メーリングリストにわたくしが逐次書き込んできた少なからぬ文章や対面運営委員会や総会についての拙所感(機関誌掲載)に費やした労力に、いささかの意義を自らに見いだすこともできよう。
 機に応じそのときどきの私感と所見、これら全てを、本運営委員会の会務記録として、将来の公開に備えて欲しい。
  以上、敗者の弁としては、饒舌に過ぎた。
 ·  次期の運営委員各位、ことには菅野新事務局長におかれては、文字通り命がけの健闘を期待する。
 

平成24年度会計報告

以下、平成25年8月10日定期総会議場で戸田が口頭で行った会計報告です。決算案予算案ともに、議場承認を頂きました。ところが、本報告に含まれる予算案費目算定根拠の記述については、予算案表費目および金額とは切り離しての承認決議が行われました。以下については「記録」として残すとの留保を付しての議決承認でありましたので、ここに掲示させていただきます。

   平成24年度会計報告

第20期運営委員会事務局長・暫定会計担当 戸田游晏

平成24年度決算案

24年度末現金資産合計は2,057,857円で、うち債務としての「会費前受金」は232,000円となります。未払金(内訳は以下)、仮受金他を差引き、余剰金として1,259,126円の繰り越しとなりました。
未払金(1)「学会資格検討委員会」調査研究実費心楽の会(酒木保会長)立替
未払金(2)精神保健従事者団体懇談会分担金23年度・24年度分
未払金(3)25年2月大連国際大会プレセッション大会費(一部)酒木保立替
未払金合計 250,000円
なお、懸案の内田基金の返済は年度内は果たせませんでした。国際大会の収支報告が、昨年度の大連会場開催中止のため年度を越えることとなり、大会費追加支出等に関わる見込みが立たなかったこと、24年度の予備費は181,935円と僅少であったことを勘案した故です。

収入について

[会費収入] 24年度会費納入試算は、一昨年度までの試算方式(前年度末の会費完納会員数に会費を掛け合わせる、100%納入率)を採用せず、より実態に即すことを目指しての過去2カ年(平成22・23年度)の平均納入率(当年度88%・過年度72%)で試算致しました。よって平成24年度会費収入予算は24年度1,432,000円・過年度240,000円で計上しておりました。年度末の納入額は24年度1,584,000円・過年度152,000円となりました。24年6月に2年以上の未納会員と未納退会の方への電子メール(22通)と葉書(31通)にて納入と復会のお願いを試みました。これに応じて下さった方々からの納入による微増はあったものの、過年度未納額全体としては予算額に比するところ11名分の納入が頂けませんでした。本年度分納入と併せると64,000円増となります。

[購読会費]一般会員の会費納入状況に比して安定した納入率を見込んで、24年度予算案計算式は従来方式(100%納入)を踏襲したところ、結果として過年度納入分との差引184,000円減となりました。昨今の社会経済情勢により大学図書館等では経費削減の為に冊子体逐次刊行物蒐集選択・選別においての厳格化が進む可能性が大いにあります。この趨勢も視野に入れ、将来的予算案編成を検討する必要があろうと思われます。

[48回大会収入]24年度予算として大会東京会場・大連会場合計200,000円を按分を期しての大会予算として計上しておりました。24年8月の東京会場開催費供与100,000円からの差引39,144円の収益となりました。大連会場での開催は日中間の国際情勢悪化の影響を被り中止となり、これに代えて、2月に宇部フロンティア大学にて25年度大連国際学会(第49回大会)のプレセッションを開催しました。大連会場開催費として供与予定の残100,000円は、年度内にプレセッション予算の提出が無かったことから、未払い金(3)として債務に計上しております。(なお、未払い金(3)は、プレセッション収支決算の提出により次年度(25年7月)に支払を行いました。)東京会場収支及びプレセッション(宇部)収支につきましては、別添の各々の会計報告書をご参照ください。

[研修委員会収入]25年2月の東京の公開シンポジウムでは50,720円の収益となりました。

[地方委員会収入][小委員会収入]共に活動がありませんでした。

[雑誌売上]東京会場・プレセッション(宇部)会場共にバックナンバーの売上げはありませんでした。東京会場では、旧事務所からの財産移転のためバックナンバーの数量目録に基づく移管業務(東京会場開催1日目夜間)に重なり、充分な準備と対応ができませんでした。また、プレセッション会場の宇部フロンティア大学にはバックナンバーが既に移管されておりましたが、比較民俗学会及び大連大学関連の招待講演者および開催校関係者の他に非学会員の参加者は無く、その方々への寄贈の他には販売は行われませんでした。
学術刊行物の電子データ化が主流となりつつある今日、冊子体の売上げ増は見込み難いと考えられます。

[印税]学会編著書籍の印税収入はありませんでした。

[利息]払出・郵貯総合口座入金が年一回の実績となり、利息482円となりました。

[広告料]ありませんでした。

[雑収入]内訳は以下です。
24年 5月30日 株式会社メテオ(文献権利許諾使用料) 471
24年 7月17日 CP紙印刷代金(研究者からの依頼) 2,744
24年11月30日 学術著作権協会 35,130
25年 3月14日 全国保健医療福祉心理職能協会  10,000
25年 3月22日 学術著作権協会 振替受入   29,404
合 計 77,749円

支出について

[臨心研印刷費]予定通り50巻1号・2号、年度内2号の発刊となりました。50巻1号より表紙デザイン等誌面を一新したため、予算より46,255円超過しました。

[誌紙発送委託料]協和印刷に委托した機関誌発送について計上しております。CP紙175号については、データのメール一斉配信と印刷物郵送を事務局(学会支援センター)で行ったため、事務局費(通信費)の一部として計上しました。

[運営委員会活動費]予算では当初、宿泊を伴う対面会議3回分の予算が計上されておりましたが、24年12月の第4回運営委員会の次の対面会議が25年度4月(第6回運営委員会)の開催となったため、1回分の支出となりました。内訳活動費は、精従懇6回分および日心連1回分の出張旅費予算に比し、53,180円の予算超過となりました。これは、運営委員長の日心連理事会(24年6月17日)出張および、政情に対応し昨年末に開催された国家資格推進関連諸会議(24年12月6日推進協・12月23日心理学諸連合)への出張旅費が新たに加算されたことに因ります。

[事務局費]予算の内訳管理手数料が、学会支援センター委託費用内訳費目の合計ミスから、年間管理手数料を約120,000円分低く計上していたため、その他費目での経費節約に努めたものの、事務局費全体で36,327円の超過となりました。24年5月より暫定会計担当を引き継いだ戸田の基本的な錯誤に因るものです。誠に申し訳ございません。
決算書・予算書作成は戸田が執り行い費用は発生しておりません。
通信費には、CP紙175号他、学会支援センターからの会員への一斉郵送料金を含んでおります。なお、25年初頭に同センターが行った研修委員会追加告知に関わる送料につきましては、研修委員会費内に計上しており、この中には含まれておりません。
24年度から設けられた事務局長執務費支出額5,000円は、24年7月7日の監査事務を補佐頂いた会員の方のへの日当報酬に充当しました。
財産保管費は、旧事務所財産移管により、8月までの支出となり、25年度予算においては費目削除となります。24年7月21日に財産内容検分・目録作成出張旅費および8月25日移管のバックナンバー等運送代金は、事務局予備費から支出しました。

[編集委員会活動費]概ね西日本地域の委員で構成されており、メーリングリストでの連絡会を主に行ったため、関西での対面会議1回のみの支出となり、予算より大幅に支出は抑えられました。しかし、25年度予算案には、21期編集委員会構成員の居住地・その他出張旅費を見込んだ余裕ある経費計上の必要があるでしょう。

[48回大会費用]東京・大連会場開催費200,000円を按分(折半)し、8月25日・26日の東京開催費用に支出しました。詳細は、東京会場費収支報告を参照ください。残りの大連大会開催費補助となる100,000円は、国際情勢の影響で大連大会が中止となったため支出を見送り、年度内2月に、臨時総会に併催して、急遽企画・開催された次年度第49回国際大会プレセッションの費用補助へと充当することを期し、未払い金(3)として処理致しました。

[研修委員会費用]予算通り支出致しました。

[地方委員会活動費][HV小委員会活動費]いずれも活動が無く支出しておりません。

[学会認定資格検討委員会]24年8月の定期総会に於いて予算案は、新たに計上された本費目について執行を除外されました。しかしながら、昨年度は、資格問題については国家資格化を巡り政治・社会情勢が急激に変化する時機にあり、費目支出が認められない状況においても、当事案に関わる調査・情報収集活動を怠ることは出来ないとの運営委員長判断により、酒木運営委員長主宰の研究会心楽の会資産より、50,000円の予算相当額全額を立替えて頂き、当該委員会費の要求を行った藤原委員と戸田の出張調査活動費に充当しました。当費目を含む予算案は、25年2月の臨時総会で承認され、未払い金(1)に計上しております。

[振込料]郵貯銀行間取引及び個人口座への一時移し入れにより、手数料減額に努めました。

[負担金]日心連24年度分のみで、精従懇分担金23年度分は未払いのまま年度末を迎えております。(24年4月に23年度24年度分を併せて納入致しました。)請求書受領時機にも因るのですが、一昨年度分が年度越え支出となることは会計処理上適切ではないと考えられ、今後納入時機を自主的に判断する等検討を要する事案です。

[内田基金返金]冒頭に記した事由により、年度内処理は見送りました。(平成25年7月に定額積立金に移し返済しました。)

[租税]郵貯銀行口座から52円引かれております。

[予備費]関西地域の運営委員会有志を中心に、25年2月の関東での研修会開催を受け、関西において向精神薬薬害関連の研修会開催が企画され、関連講座参加・書籍購入、企画準備調査を行いました。当初、この準備調査に関わる支出は事務局長執務費の残額45,000円を充当しておりました。ですが、この開催計画そのものとしては、支援専門職と一般社会への啓発事業が主たる目途であり、事務局長執務費の本来の用途とは異なります。そこで、後日、当該支出の同額を予備費支出に振替えました。開催準備金45,000円の内訳は、講師中川聡氏(神奈川在)の旅費を含む謝礼と会場費への予定となります。

平成25年度予算案

[会費収入] 24年度よりの試算方式に準じ、平成25年度会費収入予算として1,568,000円を計上しました。過年度分は184,000円としました。

[購読会費]昨年度末の納入実績を鑑み、800,000円で計上しました。文系学術研究機関の資料収集経費の削除や電子化の趨勢がこの1年で如何ばかりの変化をもたらすのかが未知数です。今年度末、さらに厳しい結果となるかもしれません。
収入の部のその他費目は、昨年度実績に準じて計上しております。

以下、支出の部となります。

[臨心研印刷費]51巻1号・2号、年度内の発刊を予定しております。なお、26年4月に予定される消費税増税に伴い、価格改定について検討致しましたが、消費税が10%になる際、あるいは年会費を見直す際など、全体的な見直しを図る時点にての改めての検討事案とすることを学会支援センター担当井手氏からご助言いただき、今回は見送ることと致しました。

[誌紙発送委託料]協和印刷に委托、CP紙176号は、データのメール一斉配信と印刷物郵送を学会支援センターで行うこととし、事務局費(通信費)に繰り入れて計上しました。

[運営委員会活動費]宿泊を伴う対面会議2回分の予算を計上しておりますが、第20期第7回運営委員会での関西・関東別開催の試みで見いだされた長所・短所を踏まえ、また第20期第2回運営委員会の審議に於いては時期尚早として試行見送りとなった通信会議の実施も視野に、来期の運営委員会にての検討が待たれると考えます。
 また根本的な経費節減策としては、運営委員数の削減が大きな効果をもたらすことは言うまでもありません。しかしながら、この事案がこれまでに全く議論に上らなかったことは、甚だ疑義を抱かざるを得ません。当初本第20期運営委員会は、17名で発足しました。その後任期途中で6名の委員が辞任され、現時点では11名が現任です。
 事務局長としてこの1年半を具に参与観察した見解としては、実質上の会務運営実働は、発足当初より多く見積もって5名以内で執行可能であったと考えます。これが本学会の規模にあっては、まず適正な数であろうかと思います。
それは、学会会務にはほぼ素人集団である我々運営委員が、学会支援センターというプロフェッショナルからのサポートを得られているからに他なりません。
 この決算・予算案作成は、戸田の運営委員として最後の仕事となりますが、この期に及び本運営委員会そして本学会の将来の発展に向けた提案として、以下を問い訴えたいのです。
歴年多選運営委員各位、各々に会員からの委託された血税にも等しい会費に見合う実務を今期に於いて、如何ばかり果たしてこられているのかを、会員に開示することが求められるとお考えいただくことは、とても難しいことでしょうか。また、来期に留任されるに当たり、このたびの総括の会員からの評価に真摯に向き合い、今後の会員の信託に充分に誇りを以て責務を果たして頂けますことをお願い致します。これらを、改めまして、各位が深く自らに問うて頂ければと願われます。まんいち、自ら一般会員の信託に応じ得る確固たる自覚を、様々な理由でお持ち頂くことが叶わない未立候補各位におかれましては、来期役員への再立候補を、厳に自粛頂けるものと固くご信頼申し上げる次第です。
 ちなみに、関東地域から大阪へ関西地域から東京への、運営委員お一人当たりの宿泊会議費は、年間会費の約5人分に相当します。これを、各位深く銘記いただきたく願われます。その会員の厚い信託に応じ得る意欲と自信、これに伴う、会務各領野における知識と経験を以て本学会会務運営に参与する精鋭こそが、来期の運営委員たるべく重ねて願われます。
 今回の選挙管理委員会の監督下、運営委員候補者として5名の方々が立たれております。 
人数として前期比30%の立候補者となります。
 これはまさに丁度、上記に申し上げた、本学会の現状においての会務運営規模にほぼ見合った立候補数であります。
 したがいまして、この運営委員数規模を基準に、今年度の運営委員会における対面会議の交通費および宿泊費予算を計上いたしまました。基本的に関西と関東で年に2回の会議を持つとして、交通費1名往復30,000円と5,000円の枠を定め、各々に3人(関西・関東・その他の地域として、平均5.5人、繰り上げ6人とする。)を掛け合わせた、会議1回分の交通費を105,000円として、2回で210,000円。宿泊費は、今期に引き続き縁故・自宅泊推奨等宿泊費削減推奨により、平均4,000円として、会議二回分合計48,000円とします。
 以上の削減において捻出された余剰金は、少数精鋭の運営委員が複数の役割領野を責任者として重複分担し、会員の中から協力員を選任してパート雇用も含めて実働を指揮することと致します。その際、殊に特殊な専門業種においては、学会支援センターのオプション業務または、派遣専門職を雇用する費用に充当することが可能となります。
 このように、来期役員選挙におきまして立候補者が僅少であることこそが、経費節減と会務の効率化を並立する試みが為される好機となるものと考えます。
 ただし、これらのオプション業務及び委託費用の試算は、次期運営委員各位の事務能力と時間的余裕に依存するものであり、特に新たな費目として計上致しておりません。必要に応じて事務局会務に関しては事務局長執務費、その他委員会等部局に関しては予備費からの支出として処理することを見込んでおります。
 なお、重ねてのご報告となりますが、ご参考までに再度申し上げます。少なくとも20期においては、決算報告での既述通り、のべ5名程度で会務の遂行がほぼ滞り無く遂行されていた実績があります。
 これに加えて、特殊会務(経理・大会等行事運営・編集業務など)について一般会員からのその都度の助力を、職務によっては報酬を伴ってお手伝いいただくことは、従来の上意下達的な会務運営から、会員自らが率先して会務に参与する本来のボトムアップの在り方を促進するものと考えます。
 経費節減についての言及も致しましたが、この課題は本学会に限らず、組織として極めて重要な懸案事項です。しかしもちろんのこと、節約が適正ではない必要経費があります。
 本年度秋よりは新たな国政情勢に伴い、精神保健福祉行政ならびに心理士国家資格化実現等に関わる、多くの会議・集会が首都圏にて開催されることが見込まれます。昨年度まで運営委員会活動費の下位費目名「活動費」として精従懇および日心連への参加交通費が支出されていました。今年度予算案からは、この費目名を「他団体参加費」と改め、来期の渉外活動において見込まれる、多様な諸会議への参加費用(主として交通費)に充当することとし、これまで倍額の200,000円を計上致しております。

[事務局費]予算の内訳のうち管理手数料は、550,000を計上。他、本年度決算に準じて計上しております。なお、決算書・予算書作成は24年度決算からは、勘定元帳を作成しないなど簡便化を図っておりますので、経理事務経験のない方でも会計をご担当頂けると考え、費目を残しながら、予算は無しで計上しております。来期の体制の中で時間的にも心身の健康面でも支障のない適任の方の選任を含め、改めてご検討いただければと存じます。
 新たにホームページ維持管理費として125,315円を計上しております。内訳はサクラインターネットの年間使用料5,315円に1ヶ月当たり1万円の年間維持管理費を加えました。 
 事務局長執務費は費目計上が前年度総会にて承認されておりますので、後任事務局長の便宜に些かなりともお役立ていただきたく、前年度通り50,000円を計上致しました。

[編集委員会活動費]編集委員会からの要求により、活動費計200,000を計上しております。内訳は、交通費150,000円、会議費20,000円、執務費30,000円となります。

[49回大会費用]本年度第49回大会費を例年の5倍の500,000円としました。本年度の年次大会は既に、去る7月5、6日に中華人民共和国大連大学において開催されました。開催費用は昨年度内からの準備費用を併せての総額、1,000,000円余りとなりました。(「資料2-2参考)大連国際大会収支」をご参照ください。)しかしながら、本学会の財務規模から、この総額を拠出するには、学会運営に破綻をもたらしかねません。
 かつて海外から講師を招聘した第41回大会(平成18年度)では大会費出が1,299,811円に上りました。当時の大会費用予算は、400,000円で計上されておりましたが、実際の支出額はその3倍を超え、これにより、次年度繰越金は12,659円の赤字でした。当時の決算での学会収入は5,000,000円余り、昨年度末と比べ約1.5倍です。
 これらを比較参照致しますところ、無論、単純に割り出せるものではありませんが、41回と異なり、今回は大会そのものを海外に持ち出したこと、またそれが日本の心理学領域では初の快挙であること、しかも現在もなお政治的に国交上に解決が見えない大きな問題を抱える日中間において、民間レヴェルでの学術交流を成功裏に成し遂げ得たという意義の高さ。これらにおいて、今回予算案として計上した500,000円は過剰に多額ではないものと暫定会計担当としては思うところではありますが、総会議場にての裁定に委ねます。

[研修委員会費用]要求通り前年と同じく70,000円を計上致しました。前年度同様、大会時以外の研修会開催が可能となるよう、会場代、シンポジスト交通費・謝礼、最低限委員交通費、講師資料印刷費、雑費等々を見込み、前回の収支を参考にした合計となります。

[地方委員会活動費]関東委員会より10,000円、関西委員会より50,000円の要求があり、計
60,000円を計上致しました。新たに要求があった関西委員会予算の内訳は活動費20,000円及び交通費30,000円です。

[HV小委員会活動費]計60,000円を計上致しました。活動計画と予算内訳は以下です。 
1.  9月 7日 (土) 東京:世界ヒアリング・ヴォイシズ・デイにちなむワークショップ
2.  9月14日 (土) 岡山:世界ヒアリング・ヴォイシズ・デイにちなむ「声の体験を聴く集い」
3. 11月28日 (木) 又は11月30日(土) 大阪:HV(マーストリヒト)面接法の研修 
 上記いずれも、ヒアリング・ヴォイシズ研究会と共催し、費用を折半します。
折半の結果、日臨心HV小委員会の持ち分は、上記3ヵ所での費用合計が、会場費8,000 円交通費・謝金47,000円、印刷・広報費3,000円、予備費2,000円となります。
 
[学会認定資格検討委員会]7月21日の参議院選挙においての自民党圧勝を受け、9月の国会にて「心理士」国家資格の上程がほぼ確実になったと言われています。この国家資格「心理士」を基礎資格とした上位資格を、本学会認定資格として制定するための検討委員会の重要性が増し、この委員会の実質的運営に早急に取り組まねばならない時機となったことは言うまでもありません。その重要性に引き比べ、昨年度と同じ50,000円の計上となりますのは、検討の余地を残すものですが、本委員会の設立を最初に提案された藤原委員が学会を去られている現状では、再度、最初から仕切り直しての第一歩から進めざるを得ないものと考えます。

[負担金] 精従懇分担金23年度分は未払いのまま年度末を迎えましたが、24年4月に23年度24年度分を併せて納入致しております。これらは既述通り未払い金として処理しております。したがいまして、負担金115,000円の内訳は、日心連負担金15,000円・精従懇負担金平成25年度分50,000円・日本心理研修センター寄付金一口50,000円となります。
 ここで、精従懇(精神保健従事者団体懇談会)への分担金支出についての、今期事務局長および24年5月3日よりの暫定会計担当としての、所見と提案を付記したいと考えます。
 そもそも、酒木運営委員長以下、事務局戸田をはじめ今期からまた比較的最近に運営委員を務めることとなった委員は、「精従懇」なるものについて、ほぼ全く知識(すなわち長く歴任継続する担当者から、予め運営委員会に恒常的に報告があるべき情報)を得られてはおりませんでした。

 つまり、運営委員会内での「情報の不均衡」がここに生じており、暦年の担当者である多選委員2名によって、その情報は独占され、自発的かつ積極的にそれらの情報が運営委員会には報告されることは、少なくとも今年度初頭までは殆ど無く、その他の委員は、「無知」の状況に置かれていました。そこで、運営委員会メーリングリストおよび対面の運営委員会会議(主として第4回以降の運営委員会)において、實川委員から、担当者である藤本委員と鈴木委員に対して、隔月の定例会への参加報告を求めることとなりました。戸田も暫定会計担当として決算案・予算案策定に際し、一般会員への説明責任を果たすために、経費支出根拠を明らかにする必要があり、この経緯に注目いたしておりました。
 しかしながら、以後、メーリングリスト会議においての本事案の滞りに困惑しました。戸田からも、藤本委員と鈴木委員に度重ねての問合せを致しましたが、それに対して、無回答或いは、度々の要請の末に必ずしも問いへの応答としては当を得たとは言い難い、論点の移動や弁明が返ってまいります。そこでいたしかたなく、追い重ねての問い質しの論点の焦点化を試みますが、依然、無応答となってしまいます。(余りにもこれへの推移が頻回であるため、これは無作為による攻撃的反応、即ち無視と黙殺と目すべきではないかとも受け止めざるを得ない心情に陥らされます)そこで、最終的な苦肉の策として、一般会員にこの実態を広く知って頂くとともにこのように質疑はおろか対話が進まない事態を打開するため、實川委員の質問をHPに掲示することに踏み切りました。
 これを深慮無く行ったわけではないことに、ぜひご留意を賜りたいと願われます。諸般のリスクと責任を、戸田は引き受ける覚悟と自覚の元、この措置に踏切りました。それは、現状の行き詰まりを隠蔽し続けるよりもむしろ公に開示して一般会員とその背後の社会常識からの評価と判断に委ねたかったのです。そして、これに対しての意見を、「ノーチェックで公開掲載する」ことを約して、藤本委員と鈴木委員にお勧めしました。時系列ではその後に(つまり客観的にはこの戸田からの呼びかけに応じて)、藤本委員から、ML投稿により提出された文が、現在HPの「運営委員会」頁に掲示されている藤本委員の文章です。これは一字一句変更しておりません。
 しかしながら、藤本委員よりのこの投稿を受けた際に、戸田は戸惑わざるを得ませんでした。その文中に、外部団体役員の実名が複数記されていたからです。そこで、もし精従懇事務局が許可しないならば、この実名箇所を修正削除したものに差し替えができるかもしれないと、急ぎ精従懇事務局に問合せ致しました。しかし、事務局からの回答はありませんでした。そこでやむなく、約束通り「ノーチェック」にての公開を維持することとなった次第でした。
 なお、その後7月27日に精従懇定例会が開催されましたが、精従懇事務局や実名の出ていた他団体の方からは、一切本件についての抗議や批判は、「本学会代表」として出席した酒木運営委員長にはありませんでした。本学会事務局への回答も、現時点(8月7日)においてもありません。ここで、お断り申し上げておきたいのは、實川委員や田中委員、戸田からをはじめとする、精従懇に関する質問は、けっして質問のための質問であるとか、藤本委員や鈴木委員の説明に対しての「言葉尻を捉えた(揚げ足取り)」などではなく、素朴に「無知」、すなわち分からないからお尋ねであったと思います。それに対して、長年にわたりこの重要な他業種間の連絡協議のための団体に関わりを続けてこられた即ち情報格差において優位である2名のご担当者は、無知な他の委員からの情報提供の要請があった際に、率先してのご教示を頂く義務即ち説明責任をお持ち頂かねばならないのではないでしょうか?

 それが本20期の期末に迫るこの現時点においてさえ、果たされていないからこそ、そして当該団体と本学会との良き連携となるべき、相互の情報交換によりよく働いて頂けているのかどうかさえ、不明瞭であり続けてきたという状況があったからこその、度重なる情報開示要請となってしまったという経緯がございました。ここに一つ銘記すべき事態が生じております。以下、具体的に申し上げます。第6回運営委員会においての藤本発言において、25年11月に予定されている当該団体のフォーラムの準備状況についての事実とは異なる報告が為されたました。それが事後的に判明したときに、これについて問い質す實川委員に対して、藤本委員と共に長年に渡って運営委員を歴任されてきた複数の委員から、藤本委員の対応を擁護する意見が出ました。或る委員は、「担当者の報告をそのまま信じるのが信頼というものであり、虚偽を疑ったり調査にお行くのがおかしい」と陳述されました。また別の委員は、藤本委員の虚偽報告があった事実を認めながらもその事実の適否については一切問わず、むしろ藤本委員がなぜこのような言動をせざるを得ない状況に追い詰められたのか、その状況をもたらした實川委員への間接的批判を主旨とする発言をなさいました。しかしながらここで顧みられるべきことは、恒常的に藤本委員・鈴木委員が運営委員会への報告を怠ることがなければ、この事案は元より生じてはいなかった、という事実です。この事実はここでは全く問われようとはしていないのです。或る委員が指摘されている「調査」とは、實川委員の6月1日の定例会出席を指します。
 これらの経緯を重くみた酒木運営委員長が、後に「担当」に加わることとなり、7月27日定例会に委員長決裁にて實川委員を運営委員陪席として参加をされましたが、この委員長決裁(精従懇MLへの委員長からの投稿による、委員長と實川委員の出席通知)を無きことのように、藤本委員と鈴木委員はこの7月定例会に参加されました。これらの行動が依拠する根拠は、おそらく、酒木委員長決裁よりも以前の、未だ藤本委員の報告内容についての事実関係の客観的評価が為されていない、4月の第4回運営委員会時点での申し合わせと推測されます。しかし両担当の行動は、時系列としてはより新しい運営委員長決裁を蔑ろにし、かつ事前に運営委員会の了承を得ないでの出席となりました。このような会務運営の秩序を軽視し、その場に応じての自らの恣意的つまり都合のよい判断で、費用の発生する会務を遂行する事態は、じつは本運営委員会では少なからず生じており、これはその一例に過ぎません。ともあれ、酒木運営委員長と實川委員が、これら2回の精従懇定例会に参加せざるを得なかった第一義としての目的は、当該団体と本学会とが、今後連携していくことの意義を探ることであり、本学会にとって、この団体に加盟、すなわち年間5万円の分担金を供出するだけの費用対効果が期待できるのか、すなわち本学会にとって有益であるのかを査定された、と事務局長としては理解致しております。

 総じるところ、これまでの担当者による、適切な活動報告が恒常的に為されていたならば、今回のような一連の精従懇関連の問題で、しかも役員改選時機を前に、これほどまでに問題が複雑に錯綜した状況には陥らなかったということが言えるでしょう。
 暫定会計担当の立場から戸田は、今年度予算案策定過程において、精従懇担当者の藤本委員と鈴木委員に対して、自らが知ることができなかった、担当委員のお二人に取られては恐らくは基本的事実関係や情報について、度々お尋ね申し上げて参りました。それにも関わらず、藤本委員からの無回答ばかりか、鈴木委員からは情緒的な偏りにも彩られた反射反応的ご回答を頂けたものの、当方からの問いに対しての的確と評価させて頂けるご回答は、まことに残念ながら必ずしも得ることは叶いませんでした。暫定会計担当といたしましては、このお問い合わせの数々は、来年度以降の予算案についての、<事業仕分け>を目途とする切実な問いであるとの認識で行ってまいりました。しかし、上述のような情緒的反射とも見受けられる反応に阻まれ、お答えが頂けなかったのではないかとも推察いたしております。

 現時点において、今年度25年度分の精従懇分担金支払いは、事務局長兼暫定会計担当判断にて凍結しております。言うまでもなく、その理由の最大のものは、精従懇会に今後ともに加盟することが、当学会にとって将来的に年間5万円の分担金を拠出し、担当者の旅費を拠出するに見合う利益があるのか、という疑義に他なりませんでした。しかしながら、この事案につきましては、酒木運営委員長と實川委員が精従懇MLにての投稿記録を具に検証され、かつ實川委員からは、例会に参加されることによって、参加の意義についての、これまでの担当者からは為されることが極めて稀であった、自らの見地からの論評を含めた詳細なご報告がありました。そのご報告を踏まえ、暫定会計担当戸田は、8月10日に提出予定の総会議案である本年度予算案に、本会への継続的加盟を見込んだ予算を計上いたしました。

 しかし依然として、現在のメーリングリスト会議においても、實川委員および暫定会計担当戸田からの質問や論評に対しては、藤本委員および鈴木委員による無応答、および応答があってもその応答内容の妥当性への疑義を抱かざるを得ません。これらの経緯から自ずと、お二人の委員の分限資格者たる説明責任の不十分な履行という事実が、累積する事態がなお継続し続けております。このような事態を鑑みるに、二委員には、来期も引き続き当該団体に対して本学会の代表者代弁者として見なされる立場に任ぜられることにより、本学会が承認し得る信頼性を示しては頂けるのであろうかとの疑問を、拭い去ることが出来ません。

 以上からの結論と致しまして、今年度定期総会において提出する、予算案の精従懇担当に関わる経費支出に関しましては、最終監査日前日である8月2日までに続けて参りました、精従懇の歴任担当者二委員に対するヒアリング結果として、以下を提示させて頂きます。
 今年度以降に精従懇への加盟すなわち分担金を学会として拠出する必要条件として、以下を提案します。:
1)20期まで「担当」を務めてこられた藤本委員・鈴木委員には、とりあえず一旦、ご退任いただく。
2)「代表」は、運営委員長とする。
3)隔月で催される定例会には、運営委員全員が各例会ごとに回り持ちで1名ずつ交替で運営委員長と共に出席する。
4)これら1)〜3)により、運営委員会全体で、すなわち運営委員全員が、精従懇の情報を均等に格差なく共有することが可能な態勢を整える

[内田基金返金](平成25年7月8日に定額積立金に移しました。来年度は費目削除願います。)
[予備費] 719,811円となります。  

付記;本学会は現在任意団体であり、他の団体への移行の可否等も検討課題となっております。税務処理上の問題も含め、慎重な議論が必要と考えられます。また、心理臨床職域に多い非常勤職・非正規労働者の相互扶助の組織として健康保険組合等の設立のために他団体との連合・協力の可能性を探る事案の検討を来期運営委員会に求めたいと考えます。

                  平成25年度事業会計報告 平成25年8月8日記
                        (文責:暫定会計担当 戸田游晏)

21期役員選挙結果報告(一会員の立場から)

 わたくし戸田は、8月10日を以て、20期運営委員会事務局長および暫定会計担当を退任し、昨日27日の21期事務局長菅野聖子氏からの事務局長会務および会計資料一式の受領通知を以て、全ての引継ぎを終了しました。
 今後は、一会員の視点から、わたくし戸田がこの1年と半年余り、本学会執行部中枢において把握した事案のなかから、一般会員におかれての情報共有が求められると判断することごとを、お知らせしたいと考えます。それらは、事実関係としての客観性に留意したものと、戸田自身の会務経験を踏まえての所見との二つの形式に分けての投稿を予定しています。

 今回、選挙の速報を戸田メモから発表します。(投票用紙原票等の選挙資料は現在選挙管理委員が保管しておられますので、得票数等の数値(2件の得票数)につきましても、選管から発表を以て正式発表と見なして頂ければ幸いです。)

 8月10日の総会の午後の部は、21期役員選挙から始まり、結果としてこの役員選出は、総会終了予定時間18時を超過して執行され、その後の会則改訂議案等の審議は行われなかった。

 当日の朝、選管の一人三島瑞穂氏が急遽欠席となり、もう一人の選管西田久美江氏が議長団(亀口公一議長・小西しゅんよう副議長・丹澤和美書記)の協力を仰ぎ、選出議事が執行された。
 今回の選出手続きは、当日発表による、「投票」方式とされた。
 選管は、投票の手続きを議場において、本年6月12日(水)の締切までに立候補した5名の候補者氏名を記した投票用紙に○か×を記入する、無記名信任投票とした。
 この投票前に、また、實川氏から、会則13条「総会において運営委員の任務を遂行する意志を相互理解するため討論をつくしたのちに、決定される。」の遵守が発議された。これに対し、選管および議長団は、時間的な制限について説明した後、立候補者各位からの短い所信表明に引き続き、再度の實川氏からの発議を制し、ただちに投票が行われた。
 選出議場にての有権者名簿には25名(総会議事終了後、選管西田久美江氏がここに登載されていなかったことが判明。本来の有権者数は26名であった。)で、これに総会委任状分15票分(総会委任状は全19通でうち議長委任は4通)を委任先の会員に投票用紙を2枚ずつ配布し(ナンバリングはなされなかった)、投票数の過半数を以て信任とした。
 その結果、金田恆孝氏16票、栗田修司氏16票、實川幹朗氏8票、菅野聖子氏33票(議場発表は34票、後に投票用紙により選管確認修正)、高島真澄氏34票(50音順)となり、菅野氏と高島氏が当選した。
 この結果を受け選管と議長団は、「2名では運営委員会活動は不能である」との理由で、当日立候補を求め、短い休憩の後、当日立候補を書面で募った。またこのとき、菅野氏から手林佳正氏からの締切後の総会1週間前を切った時点での立候補受諾を求める発議があったが、多数決により却下された。結果として、以下の6名の立候補があった。栗原毅氏・鈴木宗夫氏・丹澤和美氏・藤本豊氏・谷奥克己氏である。ここにおいても實川氏から13条の遵守を求める発議が数度に渡りあったが、これを選管および議長団は制止し、また選管西田氏は、立候補者所信表明の後に改めて討論を行う旨を回答したが、立候補者に対しての幾つかの質問に対しての応答の後、直ちに投票が行われた。この投票においては、委任状委任者は当日立候補者の所信を知ることができないという理由で、議場の会員1名ずつに1枚投票用紙が配布された。その結果、栗原氏15票・鈴木氏14票、丹澤氏17票、藤本氏12票、宮脇氏13票(議場発表は14票、後に投票用紙により選管確認修正)、谷奥氏19票との結果となり、有効投票用紙数23票(白票2票は棄権として無効となった)の過半数を得票したこの6名の方々全員の当選が確定した。
 以上が、21期選挙結果(速報)です。

 今回は選挙結果報告でしたが、今後もプロジェクタ管理担当者として総会議事に議長団の傍らに陪席していた戸田から、負ってその他の総会議事についての報告ならびに所見を投稿いたす所存です。
 言うまでもなく本件は本来21期事務局からの発表が望まれるものです。
 ところが、本学会公式HPhttp://nichirinshin.sakura.ne.jpのホームに「2013年8月22(木)に再度、当ホームページへの侵入があったことが確認されました。」との記事がアップされました。戸田はこの事態を前管理者として重く見て、本HPサーバーに前管理者としてさくらインターネットに問合せたところ、「監視体制下でのHP侵入やハッキングはあり得ない」、考えられるのは、「現管理者からのパスワードの漏洩」「第三者がランダムにパスワードを打鍵して偶然に侵入」の2つの可能性のみとのことでした。「抜本的対策」が現在検討されているとのことですが、現時点で学会の公式HPが再開される目処が明示されないので、とりあえず、既に8月10日から新たに21期の体制がスタートしておりますので、会員各位からの会務分担担当者への問合せ宛先の周知の便を慮り、本報告を以て速報とします。

                  (前20期事務局長)戸田游晏

平成24年度 監査意見

平成24年度 監査意見

⒈ 内田基金について

今期、内田基金返却が果たせなかった。この内田基金とは、内田・クレペリン検査用紙等に権益を持つ組織からの寄付で、かつてはもっと大きな金額であった。(滝野)

この基金を、できるだけ維持されるよう、返却可能な年度には、返却を行うことを申し合わされてきている。予算案(小濱原案)には、計上されていないが、検討を願いたい。

⒉ 印刷所変更による経費削減について

印刷代節減がなされた。また、印刷の質も向上している。編集委員を務めた立場から難を言えば、協和印刷工業とは、メールでの指示等への対応が遅れることが少なくなかった(渡邉)。総体的には、印刷所の変更は、高く評価できる。また、発送料も新たに印刷所への委託により節減できている。

3. 事務局業務について

昨年度、事務局を学生生協会事務支援センターに移転・委託し、事務局経費が節減できた。だが、事務局長の従事する様々なシャドウワーク的な労務については、支出費目を認められ難い。個別の領収書等が出にくい支出もあり得る。経費として、一定の枠を設けて、事務局長経費として供与することを検討課題とする。

⒋ 昨年度大会について

4-1) 大会の意義と運営方針について

大会は、会員を増やし、規模を拡大する契機としての意義を持つ。過去の大会運営については、反省点が多い。このたびの佐藤報告等について、今後とも、文書で蓄積し残していく必要があるだろう。日本心理臨床学会の場合は、ガイドライン等のマニュアル化が構築され、確実な申し送りがなされている。そのため、方式そのものは年々巧みなものとなっているが、前例を墨守して行われるので詰まらなくなってきていると聞く。マニュアル化することの弊害がある。その点では、本学会の現状はむしろよいと言えるかもしれない。(滝野)

4-2) 会場設定について望むこと

昨年の大会でいちばん残念だったのは、会場が大講義を前提としている教室で、椅子が固定であったこと。大会のあり方を見直すべきなら、いろいろな工夫・改善が不可欠。その一つとして取り入れようとしたのがOSTであったが、場面設定からして全く不可能であった。椅子を動かしたり、空間デザインができるように、会場の状況をしっかり考えて、大会会場を選んでほしい。場面設定は、心理臨床家の基本中の基本であるから、真剣にその諸条件に留意がなされた会場選択を行うことを提案する。(滝野)

4-3) 情報宣伝についての課題

プレセッションは、一つ一つの内容が魅力的だったので、あまり人が集まらなかったのが残念だった。大会の情報宣伝について課題がある。このままだと、組織がじり貧になってしまう。(滝野)

4-4) 参加者が少なかった原因

考えられるものに、日程(大阪マラソンとの重なり)、場所(市内中心部からは少し不便)、天候(2日目は雨天へ下り坂)、内容(実質として魅力的な内容であったか否か、催しの題目に本学会の特徴がよくもわるくも、顕れ出ていた。これが、既存会員には危惧を、外部の人には臆する感覚を齎したのではないか)、情宣の方法(HPもあったが、紙媒体に依存。手渡し等既存の人的交流に依存しての配布形態。)などが上げられる。

4-5) 参加者増加についての情報宣伝反省点を踏まえての提案

広報・情報宣伝についての工夫に有効な経費を費やすことが必要。郵送以外の方法も含めて考えてもらいたい。(滝野)

昨年度の大会広報を手伝った立場から。、様々な研究会等(有料も含む)に出向いて、責任者から時間を頂いて説明もし、手渡しで配る等もしたが、ほとんど効果はなかった。これまでより多く印刷し、多方面の機関にも大部纏めて配送して配ってもらった。経費をかけたが、まったくと言ってよいほどに効果がなかったと言える。これまでに試していないものとしてネット上での広報がある。HPを核とし、ソーシャルネットワークの活用等、経費がかからない方法を試す価値がある。(参考意見:實川参考人・戸田事務局長)

4-6) 本年秋の大連にての大会開催と今後の展望

中国での大会開催は、今後、中国から来た人が、日本の臨床心理学会の実態に出会ったときの対応までを、視野にいれるべきではないか。中国の人は、日本の臨床心理士のブランドが欲しい。それらの実情も踏まえないといけない。もちろん、国家資格化の問題も含む。(滝野)

4-7) 大会経費の赤字と懇親会の問題について

前回大会実行委員長佐藤さんの反省点として報告された赤字の大きなものは、懇親会費であった。懇親会では、人数の変更が効き難い。そのとき会計を担当(渡邉)しており苦慮した。懇親会場側には、人数の増減に融通が効きにくいことを踏まえ、今後、懇親会の赤字を減らす工夫が必要である(渡邉)。

また、懇親会の現況そのものの問題がある。初めて来る人からみると、仲間内でやっている印象になる。新しい人が来ても、ぽつんとなるのではないかと。新しい人が来てよかったと思えるような懇親会とするべき。単に人数の予測をミスしたと捉えるのではなく、この学会の人的交流に関しての問題として考え改善するべし。(滝野)

⒌ 運営委員多選制限について[4-7)との関連意見]

多選制限は、議論の余地が大いにある。新しい人が積極的に運営に参画できるように、新しい人たちの入会が促進されるような課題も含めて、考えていかねばならない。(滝野)

⒍ 各委員会の活動について

今回の決算では、各々の委員会の活動が行われなかったとされている(小濱報告書)。予算は、使わなかったら削られる可能性がある。

日臨心の活動を広く知ってもらうためにも、小委員活動は重要である。地方委員会が機能的に運営されれば、本学会の知名度を地道に拡げることが可能なはずである。機に適ったシンポジウム等を開いていければよいのではないか。たとえば、亀口さんが主催した自閉症の研修会には、一般の人たちを含め50人ぐらい集まった実績がある。(渡邉)

⒎ 会議経費について

会議の方式には、マルチプルなやり方を工夫することがよい。会議のやりかたそのものを工夫する必要がある。それらを積極的に試行して、改善していくことが求められる。(滝野)

議事録の記録にはたいへん手間がかかる。どこの部分を残すかが問われ、或いは逐語録であると記録者が疲弊する。レコーダーから起こした記録を出し、全員が目を通して、公式の議事録となる。これが通常の作業だが、これを見直し、記録の残し方の工夫を今後も考えていく余地があるだろう。(渡邉)

一事不再議について、「蒸し返しは絶対だめ」と定めてしまうことはよくないと個人的には思う。もちろん、無条件にそうせよ、とは言わない。グループで、互いに学び合うことが重要である。(滝野)

⒏ 19期ML公開・非公開問題

19期のMLの内容に反映している、監査に関わる事業内容について、監事は調査権を持つ。一般論としては、監事が全ての事象・事案について、調査権を持つことは了解している。しかし、19期の問題については、申請のある問題についてのみ監査する。理由は、MLリストの利用に精通していなかったメンバーがあったと考えられるからだ。公務としての学会運営と私的感情等が未分化なかたちで吐露されていた場合がある。したがって、昨年度のML公開に関しては、一般論では片づけられないと考える。(滝野)

⒐ 監事の職域について

暫定とはいえ、監査対象の前年度の運営委員を務めた私(渡邉)が、監査を行っていいものかとの躊躇いがある。2011年の運営委員会議事録(第19期第7回)の確認事項に依ると、「監事は会計監査のみとする。」とある。(渡邉)

どのような経過でそう記載されたかは知りたい。しかし、今日の一般常識からしても、業務監査の必要は、認める。(滝野)

20期の課題として、監査のあり方を検討することも必要である。

以上

2012年7月7日

監事 滝野 功久

監事 渡邉 三知雄

無反応・無応答の臨床技法

 以下は、2012年8月23日(いまから1年余り前)に20期運営委員会メーリングリストに、前事務局長戸田が書き込んだ内容です。
 ここには、当時、戸田が事務局長として発信した議題についての、運営委員からの無反応・無応答に対して、運営委員としての意識を問う論評を記載しています。
 この事例は、あくまでも当時の内容を問題としているのではなく、メーリングリスト上での意見交換が如何に不全に陥っていたのか、という状況を表す一事例としてお読みいただきたいと思います。

 この戸田からの抗議に対しても、その後やはり、無反応・無応答が続きます。
 そして、その後に次々と生じる懸案事項に取り紛れ、この問いかけもまたうやむやの中で消失していくのでした。

 このような状況が、その後の1年間も変化無く続きました。

このうやむやの中へ、時と共に、希釈し、希薄に消し去っていくこと。
これぞ、セラピー、です!!
なだめ、焦点外し、そらしのテクニックです。
行政が、住民の不満をそらすための、第二階梯です。
(Arnstein, S.R.住民参加のはしご論。ただし、この段階は未だ、Nonparticipation! )
都合の悪いことはこのようにして、なかったこととなるのです。
まことに、「行政」「官僚」的な対応と言わざるを得ません。

以下、2012年8月23日20期運営委員会MLより引用。。。。。。。。。。。
[戸田の発題に対して、ようやく頂いた佐藤委員からの投稿を受けて]

佐藤さま、各位、

 懇切な御意見をありがとうございました。
 このように真摯な姿勢にて、<客観的な立ち位置から、論証を踏まえられて のご発言>は、このたびの佐藤さんが嚆矢であると存じます。

 戸田と致しましては、各位から、このような御意見を待ち望んでおりました。
 しかしながら、佐藤さん御自身も、仰る通り、あまりにも遅くに戴いたと存じます。

 ちなみに、菅野さんからは、以下のお書き込みを戴きましたが、これは、

<菅野さんが自らの努力にて調査可能である可能性のあることについて、知る ための努力をなさろうとはしないことを棚上げにされて、御自分が、いま偶々 御存知・御承知ではないことを、運営委員会の代表意見とはしてはならない>
と言われているように、つまり、たんに<個人的なご感想>をおっしゃっている。

と、受け止めましたので、佐藤さんのご意見を以て「嚆矢」と申しあげました。

 或る運営委員個人の知識が不足している事象については、運営委員会全体の 見解としてはならない、というのでは、運営委員会意見としては、「現在、西暦2012年日本標準時午前5時07分です」のレヴェルしか発言できなくな りそうです。

 さて、このように佐藤さんの御発言を頂いた現時点を起点として、ようやく 本来、求められるべき議論が開始される運びとなりました。
 しかしながら、既に、一昨日に申しあげましたように、御意見は締め切らせ ていただいております。
 以後は、当日の総会議場にて、菅野さん、佐藤さんからの異論のそれぞれの 趣旨を併せて、プロジェクタおよび口頭にて、御報告させて頂きます。

 ところで、話し合い、顔が見える関係が大事という本運営委員会のモットー ですが、機関誌報告において成文化されたものが、(本年度から戸田が直に出 会わざるを得なかった、この組織体の実態に比して、)あまりに品行方正であ り、かつ当たり障りのないものとなること、への<強烈な違和感>を感じた戸 田が、これを度々表明致しましても、<無視・黙殺・見て見ぬふり>を賜り、 「では、これではどうでしょう?」とML申し合わせ案を、各位に提示いたし ました。
 しかしながら、これについても<無視・黙殺・見て見ぬふり>を賜ったわけ です。
 このような経緯が、厳然とあるのです。これを、メタレヴェルで、再度確認 いたしたのが、原文としては、既に、2月の議案書およびMLにて公開されて いる文書に対しての、今回の大部分の方々からの<無視・黙殺・見て見ぬふり >でありました。
 この事実を、事実として総会(といってもこの時程では、参加一般会員の数 は運営委員の数を上回るかどうかも疑問です)で、改めて運営委員の皆さま御 自身に、深く認識いただけることを求めたいと、考える次第です。

佐藤さん記)「こんなこと(ML運用申し合わせ案)まで書いて総会にださな ければ運営委員会の論議がまともになされないのかと思えば、うんざりして 会員をやめたくなる人が続出するのではないかと思います。」

 「会員が多い」ということは、必ずしもよいことでしょうか。
 烏合の衆でも枯れ木も山のにぎわいでも、数を頼むのは、名称が類似している某学会の方向性に同じく、資本主義国家体制党派政治形態においての考え方ではないでしょうか。
 政治家・政党は当の表看板である政治家・政党のリーダーシップやカリスマ 性に酔って、盲目的に全権委任してくれる票田としての衆愚が多ければ多いほ ど有り難いものです。
 昨年の原子力災害の際の政府の対応は、この顕著な例でしょう。
 国民は衆愚と見做され、その場しのぎの情報統制・操作が行われたのです。

 執行部内情を報告することを姑息に情報統制しても、情報統制を行使するこ との背景となった姿勢そのものが、蚊帳の外に置かれた人々に、不審感を抱か せる結果となるのです。

 長年に渡って運営委員の任にあられた皆さまは、運営委員としての見地か ら、この学会の総体をご覧になられる固定観念、言わば<癖>がおありかと存 じます。それを自覚なさることは、なかなかに困難であると伺えます。ですの で、昨年まで部外者であった、戸田からたびたび、部外者の<違和感>を表明 いたしてまいりました。しかし、部外者ではなくなっている筈の現在もいまだ <無視・黙殺・見て見ぬふり>を蒙っておりますことは、MLの記録を顧みる ならば、明かではないでしょうか。ですので、みなさまが、何かを仰っていた だくためには、ラディカルな発言を恣意的に選択することとなります。
 しかしながら、この組織体が、苟も、「学会」「学術研究団体」であるにも 関わらず、その場限りの「感想」を「意見」と称して、厚顔にも豪語なさる 方々が、歴任の執行役員の中にいらっしゃることに、まずは呆れさせられた次 第です。そのような言動を齎す姿勢そのものが、少なからぬ年会費を支出して 信を託してくださっている、一般会員への蔑みを意識下に潜ませた(ただし、 宮脇運営副委員長のみは、既に、文書に於て、堂々と明言なさっておりましたが)行為では ないでしょうか。

 つまり看板に偽りあり。
 運営委員は、「労働貴族」なのでしょうか?
 既に、ここに、一般会員と運営委員の間の、階級差・格差が、歴然としてあるのです。

 これは、言語化、成文化によって、客観的批判に供せられるものではない、
 隠微な事象であるが故、極めて深刻な問題であるのです。

 このような潜在的(前・無意識的な)「上から目線」は、戸田が2月に運営委員会議案書を提示した時点より、運営委員の皆さまからの反応を待ちつづけ ていたように、ことさらに、言語化して顕示いたすまでもなく、また、する・ される関係を云々するまでもなく、この学会に所属されている対人援助職のみ なさまにとって、皆無ではなかった。
 そうであるからこそ、「上から目線」 という解釈を誘う刺激語に敏感な反応が生じる、というのが、まあ、力動領域での理論的な説明の一つとなるわけです。

 運営委員会というものは、熟慮を経ないただの感想の羅列が「意見」として表明されるものであり、常に、和やかにものごとを荒立てずに、つまりときには誤魔化し誤魔化し合い、「。。。。ということにしておきましょう、いまにほとぼりがさめるまで、相手にせずにほっておけば、相手が自縄自縛で自滅す るのだから」、という対立する見解に対しての戦略体制に、戸田には昨年に一般会員として遭遇し身を以て苦々しい体験として銘記されております。

 このような有り方が、既に深く身体化されておられる向きが、歴任の運営委員の方々のなか(勿論佐藤さんはそうではいらっしゃいません)には少なからず見受けられることが、極めて遺憾に思われる次第です。

 これが、實川さんが指摘されるように、「コミュニケーションのパイプが」未必の故意によってか、意識的にか、「つまらされ」て、よどんだ水がヘドロになって(目には見えないが強烈に身体感覚を侵襲する)悪臭が放たれる腐敗の方程式を導く結果として顕れるのではないでしょうか。

佐藤さん記)「せめてもう一年話し合って、来年の第20期の任期満了時の「運営委員会活動(総括)報告」まで頑張ってみたらどうでしょうか?」

 目下、拙速にことが運ばれているとは、戸田は考えません。
 19期で、實川先生が提起された問題が、既に今期に先送りされてきております。

 これらは、今期から生じた問題ではないのです。

 歴年に渡り溜まりに溜まったヘドロが、3.11という時代の大転換の契機に生じた放射性物質の混入に促され化学反応を生じて、自ずから爆裂噴出しているのであって、ましてや戸田個人の、いわば<「自我」優位を頼む浅慮と感想や自己承認欲求から齎されているものではない>とも考えております。

 もし、戸田が保身に甘んじるならば、敢えて、本状をはじめ、このMLにて、みなさまへの御意見を申しあげることはあり得なかったでしょう。
 いわば、身を捨てて、わたくしが、このように、問題に臨んでいるにも関わらず、戸田が提起してきた議題および問題性の指摘について、たんなる感想や、しっかりと戸田の趣意やまた提起の背景である基本的な事情の把握の努力もなしに、その場限りの御感想をいただく限りで、はかばかしい御意見話し合いそのものには、いまだに至らない、<無視・黙殺・見て見ぬふり>が、依然として継続する。
 これが、この運営委員会の現状そのもの、ではないでしょうか。

 むしろ、昨年度の實川宣告の後どうなったかのだろうと気掛かりにおもわれている一般会員も(少なくとも惰性で会員を続けてはおられない、本学会に期待する方々にとっては、)いらっしゃることでしょう。

 その方々への説明責任こそが、いままさに求められるのではないかと存じます。

                   戸田游晏拝