年頭のご挨拶
日本臨床心理学会デコンストラクション
世話人 戸田游晏
平成27年の年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年11月15日の第50回定期総会に於いて、日本臨床心理学会は、大きな理念の転換を、その歴史に刻むこととなりました。
総会出席者は、議長と書記他1名を除き全員が「21期運営委員(『臨床心理学研究』52巻1号72頁の運営委員会体制に氏名のある者)」であり、拍手承認と多数決により全ての議案が承認されました。なかでも、第4号議案の「除名」規定新設においては、さらに「永久除名」の文言を付加されての決議に至りました。
これらの議案書説明文他についての不備の指摘と異議申し立ては、既に昨年7月末に、20期事務局長戸田游晏より、谷奥克己氏に申し入れていたのですが、11月15日の総会議事に於いてこれらが取り上げられることはありませんでした。
これら20期役員と現執行部との間の意見対立への評価は、「21期」が現在編集掌握する機関紙・誌からの告知と、日本臨床心理学会デコンストラクションのメールマガジンと当ホームページからの告知との、この両者の申し立てが、会員各位のリテラシーと判断に委ねられました。
その結果、11月15日の最高議決機関である会員総会において、日本臨床心理学会は、向精神薬使用により存立する現行の精神医療体制に依存し、その体制に従属する専門性と雇用確保等の利権を護ろうとする、現執行部の運営理念を支持承認することとなりました。
現「21期」運営執行部は、一昨年8月の役員改選の際に投票権保持者母数を改竄した不正選挙により当選した者を含んでいます。その不正当選者らが、この現行の薬漬け精神医療へのコバンザメ体制維持を推進する中核的役割を長年に亘り担ってきました。
この状況への一石を投じるべく、第20期(平成24年1月〜25年8月)において、酒木運営委員長をはじめ新人運営委員数名が率先して、自らの人脈を通じた新会員の参画、民俗学や宗教社会学の視点の導入、東アジアの臨床心理実践者との学際交流の試みなど、「薬漬け精神保健」への画期的な対案の提示を行ってきたのです。
しかしそれらの20期執行部の改革業績を無効化し白紙に戻すかのように、不正選挙当選者を中核とする現執行部は、機関誌では著作権侵害を犯し事実を歪曲し、機関紙では20期運営委員でホームページ前担当責任者であった方が不慮の事故で亡くなった直後に恣意的な憶測に基づく虚偽報告を行うなど、手段を選ばず、現執行部支持への情動操作を目論む論調において、真の事実関係を隠蔽した説明文書を全会員に郵送配布、機関誌『臨床心理学研究』と現執行部公式サイトを通じて社会に公示しました。
そのように、20期の活動を現執行部が全否定せねばならない理由の一つとして、「精従懇」との関わりがあります。精従懇の本年度の会計監事には、一昨年の不正選挙により当選した者が選任されています。
ところで、精従懇の一昨年の幹事会では「わが国において向精神薬は、概ね適正に使用されている」と、例示された数値等の根拠となる出典を示さない報告がなされています。このことから、精従懇が、いかような立場を加盟緒団体に求めているのかが分かります。その要請に、現執行部の精従懇担当者2名と藤本豊会計監事が、日本臨床心理学会会員総意を示す代表として、忠実に追随していることが明らかです。
このような「臨床心理学」の元来の専門性と独自性を自ら放棄することに疑問を持たない姿勢に対し、我々日本臨床心理学会デコンストラクションは、リテラシーに優れた良識ある会員を含む「日本臨床心理学会」への申し立てではなく、あくまでも、現執行部内の個人に対し、著作権侵害と名誉毀損の法的および社会正義に反する行為・言動について説明責任を求めて参ります。
日本臨床心理学会デコンストラクションすなわち関西の会員有志は、一昨年の不正選挙に於いて改革派が新たな立候補者も含め一斉排除された後も、地元関西にて、これまでと同様に独自の活動を続けております。
しかしながら現執行部は、一昨年の執行権奪還後ただちに「地方委員会」を強権を以て廃止しました。
これらをはじめ、関西から発信する改革への問いかけを現執行部は徹底して黙殺し、抑圧と排除を以て応じました。その一環である著作権侵害の他にも、会員と一般社会に向けた、事実を巧妙に歪曲した公示・告知文の随所に、20期の改革事業への不当評価とそれを担った旧役員への名誉毀損行為が見られます。これらについての、我々からの逐次の抗議に対する現執行部からの回答は、今現在一つとしてなされてはおりません。
新たな年を迎え、日本臨床心理学会デコンストラクションは、気概も新たに、向精神薬依存の医療体制を幇助する現執行部の方針に更に積極的に異議を提示し、新たな視野を広げる活動を展開する道を進むことと致します。
年初ただちに取組む事案として、地方公共団体が募る発達障がい児・者支援に関わるパブリックコメントの提出、薬漬けの精神科医療を警告する啓発と研究活動の発展的継続、本年大阪で立ち上がるオルタナティヴ精神保健支援組織への参画を予定しています。これらをはじめ、「デコメルマガ」と本HPで主張してきたデコンストラクション理念を着実に実践へと結実させていく所存です。
デコ活動の経過報告と成果は随時本HPにて報告致します。今後とも、よろしく我々有志の活動をお見守りいただき、率直で厳しいご意見を含め、活動へのご支援をこころよりお願い申し上げます。